回転寿司を持ち帰り。自分でパック詰めすれば消費税は10%、店員さんに注文すれば8%…に矛盾を感じた
※持ち帰りでは伝票を書く必要あり。めんどくさいです。
消費税の軽減税率が始まり1ヶ月近くたちました。
私はもともと軽減税率制度には否定的ですが、同じものが8%と10%で売られていればやっぱり8%を選んでしまいます。
本来持ち帰りは8%だけど…
以前から回転寿司店ではよく持ち帰りをしていました。
家で缶ビールを飲みながらお寿司を食べるのが好きなので(^^;)
回転寿司店では持ち帰りをする場合に店内飲食のお客さんと同じ座席(カウンター席やテーブル席)に座って持ち帰り用パックに詰めることができます。
軽減税率の制度上
「持ち帰り」は8%
「食事の提供」(外食)は10%。
では座席では1皿も食べず、すべて持ち帰り用パックに詰めた場合は…
「持ち帰り」にはならず10%になります!
座席に座った時点で10%!と国側が公表している
軽減税率制度スタートにあたっては国税庁からものすごい数のQ&Aが作成されており、この回転寿司店での持ち帰りについてもズバリQ&Aに解説があります。
店内で飲食する寿司と区別されずに提供されたものは、その時点で「食事の
提供」に該当し、その後、顧客がパック詰めにして持ち帰ることとしても、「飲食料品の譲
渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。
なお、顧客が持ち帰り用として注文し、パック詰めにして販売するものは、「飲食料品の
譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。
座席に座った時点で「食事の提供」(外食)になり、その時点で10%と判断されてしまうんですね。
店内で食事ををした後食べきれなかったものを持ち帰るとかお土産に持ち帰るとかだったら区別も大変だし全部10%というのはわかるのですが、最初から全部持ち帰るつもりで座席に座ってパック詰めするのも10%になってしまうのは正直複雑な心境です…
伝票書いて復唱されて豪華なパックに入れられて…手間かかりすぎ!
実質は全部持ち帰りなのに10%はやだなぁ…
ということで、座席に座らず持ち帰り伝票に注文したいものを書いて注文する本来の「持ち帰り」をやってみました。
はい、せこいです(笑)
ところがこれがめんどくさい。
お持ち帰り伝票を書く(注文したいネタの皿数、氏名、電話番号)→レジに持っていき間違いがないかレジ担当者が一つずつ復唱→レジ担当者が厨房に行きどの位時間がかかるか確認する→出来上がり
自分でパック詰めするよりはるかに工程が多い。
明らかに店員さんに余分な負担がかかっています。
店側でもこの正式な持ち帰り方法である注文、手間がかかるのであまり歓迎していないんじゃないでしょうか。
「出来上がるまで30分かかる」と言われたので、「もう10%でいいや」と座席に座って食べたいネタを注文したら10分もかからず詰め終わったこともあります(案内した時間までに出来上がらないとクレームになるので出来上がり時間は余裕をもって伝えておくというマニュアルがあるのかもしれませんが)。
もう今後は座席で自分でパック詰めして消費税は10%でいいやと思っています。
お客の立場からすれば同じものなら少しでも安く、と思うのは当然です。
その結果手間がかからない座席で詰める持ち帰りより、手間がかかる本来の注文での持ち帰りが増えてしまったら手間が増えるお店側からすればうれしくない話。
けどお客がより安くを求めるのであればお店側としては対応せざるをえないでしょう。
軽減税率制度がいたずらに本来あるべき商売の流れを変えてしまうのではないか、という気がしてしょうがありません。
消費税だけでなく、税金は本来商売に影響を与えないシンプルな構造であることが求められます。
軽減税率の導入により消費税はシンプルとは真逆な方向に進んでいってしまいました。
現場を混乱させ煩雑にさせる軽減税率制度はやっぱり好きになれません。
以上、回転寿司店での軽減税率の取り扱いに納得がいかないせこい税理士のグチネタでした(^^;)