「売上」や「資産」の金額に惑わされるな!

(司会者)「年間の売上はなんと…〇〇〇億円!」
(芸能人の方々)「えーっ、スゴイ!!」

日曜日に朝食をとりながらテレビをつけていたらこんなやり取りを見ました。

会社の実力を示す指標に「売上」や「資産」はよく使われます。
しかしそれらは本当に会社の実力を表すのに適当なのでしょうか。

会社の稼ぐ力は「利益」

「売上」は会社が1年間に提供した商品やサービスの代金の総額を表します。
会社の活動量を表すにはいい指標だといえるでしょう。
しかし会社の実力を表すには「売上」から「費用」を差し引いた「利益」の方が適切といえます。

例えば

①売上100億
②売上10億

売上だけの情報であれば
「①の方がいい会社!」
と即答してしまいそうですが…

①売上100億ー費用101億=利益▲1億
②売上10億ー費用6億=利益4億

費用の情報が与えられれば、1億の赤字を出している①より
「②の方がいい会社!」
と判断できるでしょう。

会社の安定性は「純資産」

「いい会社」にはいろいろな定義があります。
稼ぐ力を重視する人にとっては「利益」が最重要項目となるでしょう。
しかし、安定性を重視する人にとっては「利益」より重視する指標があります。

それは「純資産」。

「純資産」は会社の正味の体力を示したもので、「資産」から「負債」を引いて求めます。

資産は会社の財産。現預金や不動産など換金できるモノすべてを表します。
負債:会社の借金。ツケ払いなどいずれ返済しなければならないモノすべてを表します。

会社がもつ財産を全部換金して借金を返済したとき手許に残る金額が「純資産」というイメージです。

 

先程の売上と同様

①資産100億
②資産10億

この情報だけでは
「①の方がいい会社!」

となるでしょう。しかし、

①資産100億ー負債101億=純資産▲1億
②資産10億ー負債6億=純資産4億

負債の金額を把握できれば、純資産が1億のマイナス(いわゆる債務超過状態)である①よりも
「②のほうがいい会社!」
と判断できます。

会計の基礎を知ると利益も純資産も意識できる

「利益」も「純資産」もそんなに複雑なことを説明しているわけではありません。

しかし、テレビなどから
「売上100億の会社!!」
「資産100億の会社!!」
などと聞こえてきたとき
「じゃあ利益はいくらなの?純資産はいくらなの?」
と意識したことはあるでしょうか?

私は会計の勉強を始めるまでまったく意識したことがありませんでした。

就職活動していたときもただ会社概要欄に書いてある「売上」だけみて

「でっかい会社だな~、安定してそうだな~」

などとのん気に考えていた位です。
今振り返るとちょっと恥ずかしいですね(泣)

 

会計(簿記)の勉強を始めるとこんな感じで世の中で当たり前に説明されていることに疑問がもてるようになります。

毛嫌いされることも多い会計の勉強ですが、もっとたくさんの人にチャレンジしてみてもらいたいです!

就職活動中や転職活動中の方なら、就職先や転職先の候補が安心して働けそうな会社かどうか判断することもできますよ!
…まぁ、上場会社でないと「売上」や「資産」を公表していても「利益」や「純資産」を公表していないことが多いんですけどね(笑)