資格をとって人生を一発逆転できたのか。資格勉強を始めて15年が経とうとする今振り返ってみた
※「一発逆転」はなんとなく「一発逆転ホームラン」みたいなイメージがあるので近所のオリスタを撮ってみました。
社会に出た後に資格を取りたいと考えるとき。
それは「人生がうまくいかず悩んでいるとき」
ではないでしょうか。
私の場合簿記の資格をとろうとしたのは新卒で就職した勤務先がいわゆるブラック企業で
「とてもこのサービス残業だらけの職場で長く勤められる自信はない…」
と悩んでいたときでした。
「なんとか資格をとってこの状況を変えたい!」
と資格に希望を求めたのです。
自分が狙いを定めた資格は簿記、そして税理士でした。
税理士資格などの士業資格はよく「資格を取って人生一発逆転!!」的な紹介をされます。
当時の自分でも資格を取るだけでそんなバラ色な人生が待っているなんてことはないであろうことぐらいは理解していましたが。
資格をとればこの八方ふさがりの状況も変えられるのではないか?くらいの希望はもっていました。
実際に自分は資格を取って一発逆転できたのか?
勉強を始めてから15年経とうとする今、振り返ってみました。
まぁ「一発逆転」って言葉自体何を意味するのか曖昧なので、どのくらい「役に立った」のかという観点で。
無職から税理士事務所へ就職するのには簿記2級が役立った
当時転職先を決めることなく小売業界を辞めた自分の目標は
「再就職」。
超現実的な目標でした。
当時はまだ就職氷河期。
同業の小売ならまだしも未経験で異業種、それも男で事務職希望なんて絶対無理でしょーというのが当時の常識。
実際事務職に就くためのコースがある職業訓練校に面接に行ってもサクっと落とされました(-_-;)
男なら事務職なんか就職できるわけないだろ!ってことだったんでしょうね(´;ω;`)
その後独学でとったのは
簿記2級。
税理士試験の簿記論・財務諸表論を受験はしましたが、結果がでる前に就職活動を始めていたのでそのときに取得していた資格はこれだけでした。
税理士事務所の求人では税理士試験の科目合格を条件に掲げるところが多いですが、就職氷河期の当時でも簿記2級でOKな事務所も割と多かった気がします。
逆に簿記2級の有無がわかりやすい足切りラインでした。
人手不足の今は状況が緩くなっているようですが…
未経験でも簿記2級があれば面接へたどり着ける可能性はあります。
あとはそこでどれだけ熱意をアピールできるか。
今思えば簿記2級は最低限の足切りをクリアするのに役立っただけで、採用してもらえた大きなポイントは当時26歳という若さだった気がします。
実際自分が仮に今人を雇おうとすれば、多少経験のある30代よりやる気のある未経験の20代を選びたいと思ってしまいますし。
税や会計の知識はやる気さえあれば就職してからでも身につけられますしね。
とはいっても簿記2級がなければ多くの事務所で応募要件を満たさなかったことを考えれば、簿記2級は税理士事務所へ就職するのに大いに役立ったと言えるでしょう!
税理士事務所で評価・年収を上げるのに税理士科目合格が役立った
税理士事務所に入った後5科目合格するまで毎年税理士試験を受け続けました。
税理士事務所の職員なら当たり前じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが…
実は一度税理士事務所に入ってしまえば必ずしも税理士試験を受験する必要はありません。
もちろん仕事ではがっつり税法の知識が必要になるので勉強は欠かせませんが、試験勉強はどうしても実務とかけ離れた部分にも力を入れざるをえないので…
実際税理士試験を受験したことがない職員も多くいます。
仕事をしっかりこなすためだけなら大原やTACなどの専門学校で開講している税法の実務講座の方がより実践的で効率的です。
ただ科目合格、特に税法の科目合格という実績は事務所問わず評価してもらえるはずです。
合格した科目については安心して仕事をまかせられる、と。
私も税理士試験の相続税法の勉強を始めてからは少しずつ財産評価など相続税案件の一部を担当させてもらえるようになり、試験合格後は相続税案件を丸ごと任せてもらえるようになりました。
あと科目合格手当がつくかどうかは事務所によりけりだと思いますが、私の場合は1科目ごとにつけてもらえました。
受験生時代は専門学校代もバカにならないので収入に反映されたのは嬉しかったですね。
まとめると科目合格による成果はこの3点ですね。
・税務会計に関する幅広い知識を身につけられた
・所内の評価が上がり、よりレベルの高い仕事を経験できた
・年収をアップできた
科目合格したからといって立場や年収が大幅に変わるわけではありませんが、一つ科目合格を積み重ねるごとに仕事により自信がもてるようになったのは間違いないです!
税理士として独立。税理士合格してなきゃできなかった
一番大きく環境を変えたのが税理士としての独立。
これは税理士資格を取らないと絶対にできないこと。
正直資格を取得しようとしたときは必ずしも独立を望んでいたわけではありませんでした。
組織内の人間関係でそれ程ストレスを溜めるタイプではなく、サラリーマンの方が向いているのではないかと今でも思うくらいです。
それでも独立に踏み切ったのは
「頑張って取った税理士資格を最大限活用したい!」
という思いが強くなったから。
順番としては逆な気もしますが。
税理士資格がなければ他の仕事で独立することは絶対にありませんでした。
税理士資格を取って独立したからといってすぐに楽して高収入になれることはないし、仕事をガンガンとって従業員もガンガン増やしていくような拡大路線をとらなければ今後も高収入にはならないでしょう。
拡大路線を進む気は今のところ予定していないので「楽して高収入!」は今後もちょっとないでしょうね(^^;)
それでも独立して人生を大きく変えられてとてもよかったと断言できます。
自由な時間を大幅に増やせたからです。
最大片道90分かけていた通勤時間が今はゼロです。
渋滞する時間にクルマを走らせることはほぼなくなりました。
仕事の段取りさえつけられれば平日にプライベートな予定を誰に許可をとることなく入れられます。
仕事中はお気に入りのラジオや音楽を流し放題。
お昼の後は自分のベッドでゆっくり昼寝。
ちょっと気になったランチがあれば昼休憩を長めにとって食べに行ってます。
最近はどれも当たり前になってきてちょっとありがたみが薄れてきていますが…
どれも独立しなければ経験できなかったこと。
その独立を後押ししてくれた税理士資格の取得は自分の人生を大きく変えてくれました。
まとめ
簿記2級は税理士業界に入るきっかけを、
税理士資格は独立するきっかけを与えてくれました。
どちらも自分の人生に大きな変化をもたらしてくれたのは間違いありません。
サヨナラ満塁ホームランのような人生が激変する「一発逆転」は起こりませんでしたが、
その時々の状況をいい方向へ変化させてくれた「資格」。
取ろうとしてもなかなか手が届かなかったあの頃は本当にきつかったけど、頑張って取ってよかったです!