お店や倉庫にある商品などの在庫の数を調べる作業、それが「棚卸」です(正確には「実地棚卸」)。

なぜ棚卸は必要なのか?

特に新入社員の頃、考えたことはないでしょうか。

「なんでこんなことやんなきゃいけないんだ?めんどくせー…」
と。

すくなくとも新入社員だった頃の私は思っていました(笑)

 

今なら実地棚卸を行うことの目的はよく分かります。
その目的もいろいろあるのですが、一番重要なのは

「棚卸の金額が確定しないと利益が確定しない!」

ということ。

棚卸金額が確定しないと「仮」の利益しか見れない

日々の取引を会計ソフトに入力していくと、利益金額が確認できます。
しかしこの残高はあくまで「仮」の金額です。
この利益は棚卸の金額が期首と期末でまったく変わっていないと「仮定」した場合の金額です。

期末の棚卸の金額が大きく増減すると利益も大きく増減します。
具体例を事例形式でみてみたいと思います。

 

<事例>
自動車整備業がメインの車屋さんは3月決算。
車の販売については在庫を持たず、カタログを見たお客さんから注文を受けた時点で発注し、車が届いたらすぐ整備して通常は数日後に納車しています。
当期の3月下旬に仕入値400万円の車の注文が入りました。
車はすぐ会社に届き、整備を済ませましたがお客さんの都合で納車は翌期の4月に。

当期はこの取引以外の1年間の売上合計から費用合計を差し引いた利益が100万円でした。

この車の仕入先から3月分の請求書が届いた時点で会計ソフトには
仕入 400万円
と入力します(費用の追加計上)。

その結果、利益が100万円から400万円減るので
利益 △300万円
と表示されます。

しかし、車の仕入の内400万円は翌期(4月)に売れたもの。
売上は翌期に計上するのに、仕入は当期に計上。ということは会計上も税務上も認められません。

決算作業の中で一度費用にした400万円を取り消す処理を行います。
その結果、当期の利益は100万円に確定しました。

 

黒字決算は本来喜ばしいはずなんですが、納税が必要になります。
予定していない資金が必要となり、資金繰りが厳しくなってしまいます。
赤字決算だと思いこんで納税資金を手当てしていなかった…こんな状況は避けたいですね。

実地棚卸を行う頻度

実地棚卸はすべての在庫を数える必要があるので、会社の規模にもよりますがかなり大変な作業です。

会社の規模によって実地棚卸の頻度は異なります。
本決算は必ず実地棚卸をしないといけませんが。

理想は月末ごとの実地です。
精度の高い月次利益が把握できるからです。

しかし在庫が多い業種は人手不足の問題もあり難しいでしょう。

中小企業の場合、現実的には月毎の残高は帳簿棚卸金額(商品ごとの受払いを記録した帳簿上の在庫数に単価を掛けた金額)を使うのがベターだと思います。

まとめ

小難しい話になってしまった感が否めませんが…

「棚卸金額が確定しないと、正確な利益が確定しない!」
「むしろ棚卸金額を反映させるまでは会社の業績を見誤る可能性もある!」
「だから棚卸は大事なんだ!」

ということを新入社員だったころの自分に伝えるつもりで書いてみました。