「昔の帳簿書類がたまって場所とっちゃうんだよね~」

「帳簿書類っていつまで保存しとかなきゃいけないの?」

…そのお気持ち、よく分かります。

ただ、簡単には捨てられません。
なぜなら帳簿や請求書、領収書などの原始証憑(以下「帳簿書類」とします)を早々に捨てることには大きなリスクがあるからです!

保存期間は個人7年、法人10年!

この「いつまで保存しないといけないの」という質問はお客さんからよく受けます。
おそらく税理士がよく受ける質問のベスト5くらいには入る気がします。
…なんの根拠もないですけど(笑)

この質問に私はこう答えています。

個人事業主の方なら
「7年です!」

法人なら
「10年です!」

と。

そう応えると、だいたい
「え~、そんなに~?」

と嫌そうな、切なそうな顔をされます。
なので、その後にちょっと言葉を付け足しています。

3年分はすぐだせるところに、後の書類は倉庫へ!

スペースをとる帳簿書類をわざわざ保存する目的のひとつに、税務上の各種特典を受けられる青色申告をするため、ということがあります(帳簿書類が保存されていないと青色申告をしていても取り消されるリスクがあります)。

この保存ができているという状態は、税務調査のときに調査官から提示を求められたらすぐにだせる状態、といえます。

税務調査は原則として直近の3年間について行われます。
ただし、その中で複数年度にまたがるような指摘事項があれば5年、悪質な脱税行為(売上の除外、架空経費の計上など)があれば7年さかのぼることがあります。
軽微な指摘事項のみであれば調査は3年分で終わるので提示する帳簿書類も3年分のみで済みます。

なので

「3年分はすぐに取り出せるところに保存をお願いします。」
「3年より前の書類はすぐに取り出せなくてもOKです。
いざというときに少し時間がかかっても、探して持ってこれれば大丈夫です。」

と伝えています。

法人が帳簿書類を10年間保存しておくべき理由

税務調査は最大7年さかのぼる、と書きました。
それなのに法人には10年間保存するよう伝えている、とも書きました。

なぜ7年プラス3年間の保存をする必要があるのか。

それはプラス3年間の保存をしない場合、法人にとって大きなリスクがあるからです。

中小企業は発生した赤字を翌期以降へ繰り越すことができます。
赤字を繰り越すことにより翌期以降に発生した黒字と、過去の赤字を相殺することが可能に。
相殺することにより黒字が発生した年度の税負担を減少させることができるので、資金繰りがシビアな中小企業にとって大変重要な制度です。

現行は9年間繰り越すことができますが、平成30年4月1日以降に開始する事業年度からは10年間繰り越せるようになります。

この制度を受けるための要件として、「帳簿書類の保存」があります。

なので、10年前の帳簿書類が保存されていないと

10年前に生じた赤字を当期の黒字と相殺できず、本来納めなくてすんだ税金が発生してしまう!

というリスクがあるのです。
このリスクを回避するために、法人には「10年」の保存をお願いしています。

まとめ

帳簿書類が場所をとって普段の業務に支障をきたすようでは問題です。

直近3年分より前の帳簿書類は見返すこともほとんどないでしょう。
1年ごとダンボールにまとめて、いつの分の書類かダンボールに書いておく。
それを倉庫や書棚の片隅、書棚の上のスペースなどに積み上げてしまう、そんな保管方法で十分だと思います。

スペースをとり、邪魔者扱いされがちな帳簿書類ですが、10年間保存することには将来のリスクをさけるためのきちんとした理由があるんです!

というお話でした。