円安をイメージしやすくする「かちく」
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のこと(日本銀行ホームページより抜粋)
この「円高」・「円安」を初めて習ったのは確か中学生の社会科の授業。
理解する、というか腑に落ちるまで時間がかかった記憶があります。
「例えば、1$100円から125円になったときは円安」
そう説明を聞いても
「100円から125円って、金額は高くなってるのに円安?」
金額の増減と円の高い・安いの表現が逆になっているように感じてしまい腑に落ちなかったんですね。
その後円の「価値」の増減を円高・円安と表現するんだ、ということが感覚的に理解できて自分なりに腑に落ちたんですが、今でも一瞬「あれ?なんでこれで”円安”になるんだっけ?」と戸惑うことがあります。
その一瞬の戸惑いを消すために円高・円安という言葉に「かちく」というワードを入れる方法を紹介します。
「価値」と「く」を間に入れる
最近何かと問題視されている円安を例にします。
円安がイメージできるようになれば円高はその逆というだけなので、円高もイメージできるようになるはずです。
次の図のように、1$100円から125円になったときは円安です。
このとき「円」と「安」の間に「価値」・「く」を入れます。
「円(価値)安(く)」
「円の価値が安くなった」とイメージできないでしょうか。
「以前は100円あれば1$札が手に入ったのに、今は125円用意しなきゃ1$札が手に入らなくなってしまった。25円も余計に用意しなきゃいけなくなったなんて…円の価値も下がった(安くなった)もんだ」
というイメージです。
1円単位で比較する方法
円安を正確にイメージするもうひとつの方法は単位を変えてみること。
じっくり考える時間をとれるのであれば、この方法がしっくりくる人もいるかもしれません。
為替相場で通常表示されるのは1$あたりの円の価格。
これを1円あたり$ベースでいくらになるかに換算しなおしてみるんです。
1$=100円なら、左辺と右辺両方を100で割れば「0.010$=1円」
1$=125円なら、左辺と右辺両方を125で割れば「0.008$=1円」
となります。
小数の単位が増えてしまい、かえってわかりづらくなってしまったかもですが。
「1円で0.01$と交換できたのに0.008$としか交換できなくなってしまった、円の価値も下がった(安くなった)もんだ」
とイメージできるんじゃないでしょうか。
もしくはドル($)がイメージしづらければ、セント(¢)の方がイメージしやすいかも。
1セントは0.01$。
100セントで1$ですね。
「1円で1セントと交換できたのに0.8セントとしか交換できなくなってしまった、円の価値も下がった(安くなった)もんだ」
どうでしょう?
腑に落ちるって楽しい
多くの人にとって円高・円安を日常生活で意識する機会はあまりないはず。
外貨預金や外国株投資をやっていたり、外国企業と取引がある会社に勤めていれば別かもしれませんが。
円高・円安のこともなんとなく学校で習っただけで、実は腑に落ちていない大人の方も意外といるんじゃないかと。
中学生で習ったときも、「なんで金額が増えているのに円安なの?」と疑問をもったまま腑に落ちない表情をしていた同級生がいたのを覚えています。
今回の記事はその同級生にどう説明したら円高・円安の考え方が腑に落ちるか、を想定しながら作成してみました。
円高・円安をイメージできなくても日常生活で困ることはそうそうないのでしょうが、腑に落ちていなかったことが腑に落ちる瞬間ってけっこう楽しいものだと思います。
この記事が円高・円安を正しくイメージできるお役に立てばうれしいです!