FPの勉強で覚えたルールは変わる 簿記の勉強で覚えたルールは変わらない

「お金」に関する資格として有名なFP(例.ファイナンシャル・プランニング技能士)と簿記(例.日商簿記検定)。

どちらもいわゆる「お金」の資格ですが、学ぶ分野は大きく違います。

FPはお金に関するルール全般を幅広く学ぶのに対し、簿記は決算書ができあがるまでの仕組み・基本ルールを学びます。

勉強する級によって程度は変わりますがFPは「広く浅く」、簿記は「せまく深く」という感じす。

 

そして別の観点から見た違いもあります。

それは

FPの勉強で学ぶお金のルールは変わることがあっても、簿記の勉強で学ぶ簿記の仕組み・ルールは変わらない

ということです。

 

FPの勉強で学ぶルールは変わることも多い

FPの勉強では多くの分野について学ぶことができます。

・社会保険

・生命保険、損害保険

・金融

・税金

・不動産

・相続

など。

今現在の「お金のルール」が網羅されており、自分自身の今後の人生に役立つ!と思えるものもたくさんあります。

FP3級で学習する範囲を一通り身につけるだけでもその後の「お金」に関わる選択について相当賢い選択ができるようになり、かなりコスパのよい資格といえます。

 

ただ、FPの勉強で学ぶことの多くは現時点のルールであって、そのルールの多くはどんどん形を変えていきます。

金額が変わったり、新しい制度ができたり、ルール自体が無くなったり。

 

簿記の勉強で学ぶ仕組み・基本ルールは変わらない

簿記の上の級で学ぶ細かい会計基準などについては、FPと同様変わったり無くなったりすることもあります。

変わらないのは簿記の初学者が最初の方で学ぶ内容。

 

・なぜ仕訳は借方と貸方で必ず金額が同じになるのか

・なぜ資産は借方で負債と純資産は貸方なのか

・なぜ収益は貸方で費用は借方なのか

・なぜ貸借対照表の借方合計額と貸方合計額は一致するのか

・なぜ資産ー負債=純資産になるのか

・なぜ損益計算書上の当期純利益の金額分だけ貸借対照表上の繰越利益剰余金が増加するのか

 

簿記に一度も触れたことがない方にとっては「なんのこっちゃ」って内容だと思いますが、一度でも触れたことがある方なら「うんうん」とうなずいてもらえるのではないでしょうか。

これらの疑問は初学の場合学習を進めてもなかなか解決できなかったりします。

教える方も「今はわからなくても後で腑に落ちるときがくるからとりあえず丸暗記しちゃって!」

と言いがちですし。

この辺が簿記特有のわかりづらさ・とっつきづらさかな、と。

 

ただこのわかりづらいところもひっくるめて簿記の仕組み・ルールが自分なりに腑に落ちたときは、その素晴らしさに感動すること請け合いです。

まぁ感動するまでいくかどうかは個人差があるかもしれませんが。

少なくとも自分は腑に落ちてそのすごさに感動しました。

この仕組みがあって初めて決算書が作成できるのか、と。

そしてすごい仕組みだからこそ、これからも変わっていくことはないでしょう。

簿記、正確には複式簿記の起源は15世紀頃と言われています。

15世紀から21世紀に渡る今までその仕組み・ルールが変わらずに通用してきた事実がそのすごさを証明していますね。

 

FPほどのコスパはないが簿記の知識はきっといつか役に立つ!

なにかと「コスパ」が重視される昨今。

「FPと簿記、どちらを取るのがおすすめですか?」

と聞かれたら

コスパの観点から見ればFPと答えるでしょう。

ただこれまで書いたように簿記の勉強の初学者が最初の方で学ぶ複式簿記の仕組み・ルールは何世紀にも渡って使われてきた本当にすごいものなんです。

これらを知識と身につけておくのは決して損にはなりません。

FPのような即効性はないかもしれませんが。

終身雇用が保障されなくなった現代、今はサラリーマンであったとしても将来は独立するかもしれません。

サラリーマンを続けながら副業をするのが当たり前になるかもしれません。

いざそうなったときには身につけた簿記の知識がおおいに役立つはず。

「お金」に関する知識がほしいと思った人はどちらかと言わず、順番はどちらでもいいのでぜひFPと簿記、両方の勉強にチャレンジしてほしいです!