今年経費にできるのは今年中に「使った」モノ 「買った」だけじゃ経費にならない! 

※買ってからずっと放置していたSurface Pen

 

年の瀬です。

仕事で年内やるべきことは終わり。

さて大掃除とはいわずとも小掃除くらいやっておこうかと事務所内を片付けはじめると目にとまったものが。

それが冒頭写真のSurface Pen。

今年の夏PCをSurfaceに買い換えたあと、画面に直接メモ書きできるのが便利そうと思って注文したのですが。

キーボードの不具合のためPCを交換する準備のさなかに届いたため

「新しいPCが届いてから設定すればいいや」

と後回しにしていたらずっと放置してしまい気がついたら年末に。

取り急ぎ使う用事もないので来年設定すればいいか、と思ったのですが…

 

経費に計上する年は「使い始めた年」

事務所の経理ではこのSurface Penが届いた時点で「消耗品費」として経費計上済。

購入金額が10万円未満なのでモノが実際に手もとに届けば即経費にできるんです。本来は。(10万円が税抜か税込かは経理方法によって変わります)

ただ注意しないといけないのが今回のように注文品が届いてからずっと使わなかった場合。

あんまりないとは思いますが。

 

所得税法では購入した金額を「業務の用に供した年分」の経費にすることを認めています。

この「業務の用に供した」という言葉がわかりづらいですよね。

わかりやすく言い替えれば「仕事のために使った」って感じです。

つまり

「2019年中に仕事のために使いはじめれば2019年の経費だし、2020年になってから使うのであればそれは2020年の経費ですよー。」

ってことですね。

 

経理上すでに経費計上済のものをやっぱり経費に計上しない、という処理をするのもめんどうなので年末ギリギリではありますが使い始めました。

PCとペアリングして実際仕事のときどうやってメモするか試したりしてみたのでこれで経費計上してOKでしょう。

 

デジタル機器は利用開始日が調べられる場合も

「実際に使い始めた日なんてわからないでしょ?」

そう考える方もいると思います。

確かにそのとおりです。

例えば仕事に使う机を買ってきたとして。

それをいつから使い始めたか、なんて当人にしかわかりません。

外部の人間、例えば税務署の職員が調べてもわかるのは注文日や配送日まででしょう。

 

しかしPCをはじめとするデジタル機器の場合そうとは言いきれません。

噂レベルですが聞いたことがあるのは

「PCは初めて起動した日が記録されているから決算日までに起動させておかないと税務調査で問題になる」

というもの。

法人でそれなりの規模だと決算対策として決算日ギリギリにPC数十台を百万円単位でまとめ買いして節税を図る、とかありますからね。

そのように金額が大きくなる場合にはPCの記録から初起動日を確認される可能性もありそうです(実際の調査で見たことはありませんが)。

 

購入した年の経費にしたければとりあえず使っておこう

私の場合職業が税理士ですからデジタル機器だろうがなんだろうが使い始めた日をごまかすわけにはいきません。

ちゃんと年内に使い始めたので堂々と2019年の経費に計上したいと思います。

 

この記事を読んでいただいている事業主の方もアナログだから未使用でも大丈夫、デジタル機器だから大丈夫じゃないなどと考えず購入したらすぐ使い始めましょう。

それが一番スッキリします。

税務上どの位使いこなしたかは一切問われないので。

節税対策として決算日間近にまとめて購入したモノも箱から空けてちょっとずつ使ってみましょう。

デジタル機器でPCと組み合わせて使う今回のデジタルペンのようなものならPCとの連携を忘れずに。

 

ただ、そんなすぐに使わないようなモノはそもそも今必要かって話もありますよね。

すぐに必要ないものまで節税対策として購入することはムダなお金を使うことにつながりかねません。

すぐに必要じゃないモノを興味本位で買ってしまうことのないよう購入前には十分に検討するようにしましょう!

自戒の念を込めて記しておきます(^^;)