お客さんに話かけるときどう呼ぶべきか
打合せでお客さんに話しかけるときどう呼ぶべきか。
何気ないことですが、なかなかベストな答えが見つからない難しい問題だったりします。
肩書か、名字か
税理士が打合せをする相手は中小企業の社長が多いです。
呼び方としては一般的に「社長」が多いでしょう。
私も税理士業界に転職してからは周囲の先輩方を参考に同じようにしてきました。
失礼にはあたらないなので問題はありませんが、個人的には少々よそよそしいというか距離感がある表現のようにも感じます。
そこで既存のお客さんへの呼び方を変えるのはなかなか難しいので、ひとまず新規のお客さんには「○○さん」(名字+さん付)で呼び始めました。
今のところこれがクレームにつながった、ということはないのでひとつの方法としてありではないかと感じています。
実は不満に思われている方の中にはいるかもしれませんが…
私自身は「所長」と呼ばれるより「鈴木さん」と呼ばれた方が親しみを感じています。
名字か、名前か
呼称を肩書ではなく名字にする場合、新たな問題が生じます。
問題が生じるのは社長の家族も一緒に働いていて、打合せにも同席するような場合。
名字呼びだと誰のことを呼んでいるのかはっきりしないからです。
このようなときは、名前+さん付で呼んでいます。
正直心理的なハードルは名字呼びより高くなるのですが、慣れてくると距離感は一番近く感じられます。
また、名前で呼ぶことで同時に「配偶者の方を何と呼ぶべきか」問題も解決できます。
配偶者の方が女性の場合は一般的に「奥様」と呼ぶことが多いですが、この表現を「家庭の中に押し込められている感じがする」と嫌がる方がいます。
配偶者の方が男性の場合は一般的に「ご主人」と呼ぶことが多いですが、この表現を「夫婦間で主従関係がある感じがする」と嫌がる方がいます。
「夫」・「妻」は夫婦が自分たちのことを呼ぶなら自然ですが、第三者が「○○さんの妻」と呼ぶのは不自然です。
それなら、いっそ名前+さん付の方がいいのでは。
もちろん初対面の方をいきなり名前呼びするのはお互い抵抗があるでしょうから、最初は名字呼びから始めて打合せの回数を重ねてから理由を説明して、「もしよければ名前呼びに変えたい」と率直に申し出る方がやりやすいかもしれません。
ただ、この呼び方問題にベターな方法はあってもベストな方法はないんだなぁと最近感じています。
先日、新聞で「自宅に定期訪問してくれている訪問介護の方が家族のことを名字ではなく名前で呼ぶことが気になった」という内容の投書を読みました。
この方がもし私のお客さんだったら、名前呼びをする私のことも不快に感じていたことでしょう。
私が名前で呼ばせてもらっているお客さんの中にも、実は不快に感じているけど言い出せない方がいるのかも。
率直にお客さんに聞いてみるのもひとつの方法ですが、打合せの中でわざわざ聞くのもアレですし、そこでお客さんが正直に不満を口にしてくれるとも限らないし…
ベストな方法が見つからない以上、自分なりにベターな方法を模索し続けるしかないですね。
番外編 病院での呼ばれ方
病院では個人情報保護の観点からか、番号札を渡されてその番号で呼ばれることが増えました。
ただ、これも以前
「番号で人のこと呼ぶなんて、オレは囚人じゃねーぞ!」
とクレームを出している方がいるという記事を読んだことがあります。
クレームを入れるのも大げさな気がしますが、このクレームを入れる方の言い分もわからなくはありません。
確かに病院で
「〇番の方~」
と呼ばれると、このクレームのことを思い出して少しだけ心がモヤっとします。
この場合
「〇番の方~」
ではなく
「〇番お持ちの方~」
ならどうでしょうか。
「お持ち」をつければ、患者さんを番号管理して呼んでいるのではなく、あくまで「たまたま〇番の番号札を持っている」患者さん自身のことを呼んでいるという印象になり不快感をもたれにくいように思います。
病院関係者が税理士のブログを目にすることはないと思いますが、せっかく呼び方についての記事を書いたので普段感じていることを付け足してみました。