税理士試験のために1年間頑張れた人は「勉強の習慣」という大きな財産を身につけている

 

先週は2020年度の税理士試験が3日間にわたって行われました。

受験生の皆さんは本当にお疲れ様でした。

新型コロナウイルスの感染終息が見通せないなか、本当に受験が実施されるのかすらはっきりしない中で進める勉強は例年にはない精神的なキツさがあったはず。

通常の年ならゆっくりできるお盆の期間も試験直前のため最後の追い込みに費やさざるをえず、本当に大変だったでしょう。

今が新しい講義がはじまるまでのわずかな休息期間です。

どうぞゆっくり身体を休めて、英気を養ってください。

 

自覚せずとも身につく「勉強の習慣」

税理士試験は長期戦なので人によって受験期間は様々ですが、初受験の人でもミニ税法受験や記念受験の場合を除いて通常は1年間真剣に勉強してきたはず。

たとえ1年間真剣に勉強してもいい結果がでるとは限らないのが税理士試験ですが、間違いなく身についているものがあります。

それは「勉強の習慣」。

受験専念なら1日8~10時間。

働きながらなら平日2~3時間。休日は8~10時間。

合格のボーダーラインに立てた人ならこの位は勉強しているはず。

専門学校に行くと周りの受験生はそんな人達ばっかりなのでついそれが当たり前に思いがちですが、1年間これだけの時間を勉強に充てる生活を送る人はそう多くありません。

 

勉強する習慣がある人は多くない

税理士受験生時代、友人に自分の勉強時間を伝えるとよく驚かれました。

「そんなに勉強できるなんてすごい!」とか「そんなに勉強ばっかしてどうすんの?」とか驚き方は人によっていろいろありましたが。

共通していたのは

「自分にはとても無理だわ~」

という感想。

 

そう、みんな勉強していないんです。そんなに。

特に社会人になれば

「平日は仕事をぼちぼちこなして休日は大いに遊ぶ!」

「勉強ばっかの人生なんてつまんない!」

そう考えている人が多い気がします。

たとえ「勉強もしたい…!」と思っていても平日は仕事でくたくた、休日は休養に充てなきゃで、とても勉強なんてできない…

となってしまう人も。

 

そんな人が多い中で、たとえ1年でも税理士試験の受験勉強をやり遂げた人はその事自体を大いに誇っていいと思います。

そしてやり遂げた方にはもれなく「勉強の習慣」という生涯役立つ財産が身についているはずです。

 

「勉強の習慣」は税理士になってからも大いに役立つ

一度身についた「勉強の習慣」は簡単にはなくなりません。

自分の場合は税理士試験に合格してから一時勉強しなくなった時期がありました。

しかし「これじゃダメだ!」とFPの勉強を始めたら容易に勉強することを習慣にできました。

 

独立する前後でFP技能士1級の受験勉強をして独立1年目に合格しました。

金融機関や保険会社の方と話をすると

「FPの1級ってめちゃくちゃむずかしいじゃないですか、すごい!」

とよく言ってもらえます(^^)

 

FP技能士1級は独学でした。

勉強する分野は6種類。

 

使った教材は全部で3冊(教材2冊と問題集1冊)。

 

この教材を見てもらうとその厚みに皆さんびっくりされます。

ただ税理士試験の受験生の方が見た場合…どうでしょう?

「あ、こんなもんなんだ。」

って思いませんでしたか?

FP技能士1級の合格率は約10%で、国家資格の中でも難易度は高い方だと思います。

しかし税理士試験と比較したとき、入門的科目と位置付けられる簿記論であっても1年間で配布される教材の量は、このFP1級の教材よりはるかに多いです。

そんなボリュームのある税理士試験の教材と問題集をこなしてきた方は、世間的に難易度が「高い」と言われる資格であっても十分に勝負できるだけの「勉強の習慣」が身についているはず。

それは厳しい税理士試験の受験勉強に耐えた方が試験結果に関係なく得られるご褒美、財産だと思います。

 

「勉強の習慣」は一生役立ちます。

税理士として独立したあとも一生勉強、とはよく言われることですがその通りです。

本業の税法や会計の分野はもちろんそれ以外の分野、例えば進化のスピードが著しいIT分野なんかは意識して勉強を継続していかないとあっという間に置いてかれてしまうでしょう。

長い人生の中で勉強しない期間も時にはあると思いますが、過去に身につけた「勉強の習慣」があれば復帰は容易です。

今回の試験の自己採点の結果

「あぁ~、今回は絶望的だー」

と嘆き、やる気を失っている受験生の方もいると思います。

しかし仮に今回の試験結果が不合格だとしても、ここまで書いたように頑張ってきた税理士試験受験生には多くの人が身につけられない「勉強の習慣」が身についているはず。

この税理士受験に捧げた1年間がムダだったなんて思わず、前向きに来年以降もぜひチャレンジし続けてほしいです!