1級FP技能士とCFPはどちらが合格しやすいか
ファイナンシャルプランナーの肩書は資格がなくても名乗れます。
ただ、資格があるに越したことはありません。
ファイナンシャルプランナーが取得する資格は大きく2種類に分かれます。
国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP技能士)」と、日本FP協会が認定する民間資格の「AFP」または「CFP」。
難易度的に最上位なのは「1級FP技能士」、「CFP」です。
この最上位の資格に挑もうとするとき、「1級FP技能士」と「CFP」はどちらが合格しやすいのでしょうか。
合格率はCFPの方が高い
直近の合格率は以下のとおりです。
・1級FP技能士学科試験 2021年5月:20.05% 2021年1月:9.95%
・CFP 2020年度第2回:35.4%~41.3% 2019年度第2回:29.6%~36.9%
CFPの方が1級FP技能士より合格率が高いのがわかりますね。
1級FP技能士は学科試験の合格率のみ載せました。
学科試験に合格した後に実技試験もありますが、実技試験の合格率は例年80~90%もあります。
学科試験に受かればほぼ合格、と言っていい合格率ですね。
1級FP技能士の2021年5月の試験では合格率が20%を超えていますが、例年はだいたい10%です。
CFPは6課目ある試験の課目ごとに合格率が発表されるため、ばらつきがあります。
例年おおむね30~40%ですね。
試験範囲は1級FP技能士もCFPもほぼ同じ。
合格率だけ見れば
「CFPの方が受かりやすいからCFPを受けよう!」
そう思う方もいるかもしれません。
ただし、この合格率をみるときは注意すべき点があります。
CFPは課目ごとの合格率。
1級FP技能士の学科試験は6課目の全範囲が試験範囲の一発試験の合格率であることを考慮する必要があります。
CFPでも6課目全課目一括合格者の合格率が公表されており、2020年度第2回試験での合格率は9.5%でした。
この合格率を見る限り1級FP技能士とCFPの試験は、難易度的にはそれほど差はないとみるのが妥当でしょう。
得意分野がある人は1級FP技能士への挑戦がオススメ
試験範囲の6課目を一発で受かろうとすれば1級FP技能士もCFPも合格率はどちらも約10%。
難易度的にはさほど変わらない。
この状況を踏まえて、私は4年前CFPではなく、1級FP技能士の試験に挑戦して合格しました。
私がCFPではなく1級FP技能士を選んだ理由。
それは自分の強みとなる分野で高得点を稼ぐことにより、苦手な分野の不出来をカバーすることができるだろうと考えたからです。
税理士である自分の得意分野は当然ながら
・タックスプランニング
・相続事業承継
その一方で苦手だったのは
・ライフプランリスク
・金融資産運用
試験結果はまさに狙い通り。
200点満点中120点、60%取れば合格という状況で、苦手分野の出来は60%スレスレか下回ってしまいましたが、得意分野で70%以上稼ぐことができたおかげで無事合格できました。
もしCFPの試験に挑戦していたら、いくらタックスプランニングでいい成績を残せても合格するのはあくまでタックスプランニング1科目だけ。
苦手意識がある金融資産運用がいつまでも合格できない…
なんて状況に陥っていたかもしれません。
・社会保険に関する知識が豊富な社会保険労務士さんなら社会保険の知識ががっつり問われるライフプランニングの分野で稼ぐ
・証券会社にお勤めの方なら金融資産運用の分野で稼ぐ
・不動産会社にお勤めの方なら不動産の分野で稼ぐ
私のように「この分野では負けない!」という強みのある方はその分野で稼いだ点数分だけ、苦手分野で合格基準点を取れなくてもトータルでは合格点を確保するという戦略をとることができます。
各課目ごとの足切りもないので、苦手課目で大失敗しても得意分野でガッツリ稼げばいいんです。
これが得意分野がある人だったら、1級FP技能士の方をオススメする理由です。
CFPは得意分野がないコツコツタイプの方にオススメ
では逆にCFP試験の方が1級FP技能士よりオススメな方はどんな方か。
これは特に得意分野がない方や、1課目ずつコツコツ勉強することが苦じゃない方ですね。
一度に全課目勉強しなくても、1課目ずつ範囲を絞って勉強して受験も1課目ずつ受けていけば、単独課目の合格率は40%近くいくこともあるCFP試験。
合格まである程度長期のスパンを組むことができれば合格できる可能性は高まります。
税理士試験の科目別合格制度と、この辺りは似てますね。
ただ、苦手課目であっても合格基準点を超えるレベルまでとことん勉強しないといけないところはなかなかヘビーですが…
自分の場合、金融資産運用分野の深い部分の勉強はかなり辛いものがあったので^^
またCFPに合格すると、1級FP技能士の学科試験が免除されるのでCFPと1級FP技能士のダブルライセンスを取得しやすいことが1級FP技能士合格者にはないCFP合格者のメリットといえますね。
1級FP技能士がCFP試験で何か優遇されるかっていうと、特に何もないので。
ただ、1級FP技能士とCFPのダブルライセンスにどれだけのメリットがあるかは正直???ではありますが。
さいごに
長年仕事にしてきた分野が試験課目の中にある方は、CFP試験より1級FP技能士試験の方がオススメできます。
一度に膨大な試験範囲の学習を済ませないといけないデメリットはありますが。
2級FP技能士、またはAFPまで合格して
「ここまできたら、最上位の資格まで挑戦してみるか…!」
と考えている方の参考になればうれしいです!