源泉所得税納付書

通常会計事務所は申告書の提出期限が月末となっていることもあり、月末付近が忙しく上旬は落ち着いているところが多いと思います。

ただ7月の上旬はちょっと特殊。

なぜなら半年に一度の源泉所得税の計算、納付書の作成をする業務があるからです。

 

源泉所得税を半年に一度まとめて納付できるのは従業員10人未満

まず源泉所得税とは何か。

源泉徴収という仕組みの中でお金を支払う人がその一部を天引きし、受け取る人の代わりに国へ支払う税金のことです。

これも言葉だけでわかりやすく説明するのは難しいですね…

 

サラリーマンの方に馴染みがあるのはお給料から天引きされる所得税でしょう。

天引きする会社側からみると毎月のお給料から所得税を天引きしているので、これを国に納めないといけません。

通常は一ヶ月に一度納めないといけないのですが、規模が小さい会社は事務処理の手間が考慮されており届出をしておけば半年に一度まとめて納めることが認められています。

具体的には従業員の人数が10人未満であれば半年に一度まとめて納めることができます。

 

案内の仕方に迷う

この半年に一度の集計は従業員が数人とか社長1人とかの規模だと経理担当者がそもそも会社にいないので会計事務所が請負うことが多いです。

①会社では毎月のお給料などから所得税を天引きしておいてもらう
       ↓
②賃金台帳などの資料から会計事務所で半年分の金額を集計する
       ↓
③納付書を作成して会社に郵送する
       ↓
④金融機関に納付書を持ち込み、納税してもらう

という流れです

(③、④のやり方に代えて納付書のデータを電子申告した後にネットバンクから納税する、という方法も可能です)。

 

最初に賃金台帳などの資料送付をお願いするために連絡をとるのですが、いつも迷うのがお客さんへの案内の仕方。

経理担当者がいれば、この源泉所得税の流れもわかっている方がほとんどなので話はスムーズです。

一方経理担当者がいない会社の場合、社長や社長の奥さんに資料送付をお願いすることになります。

このとき普段経理にあまりタッチせず、本業に集中している方だとこの源泉徴収の仕組みをよくわかってなかったりします。

毎月やっていれば嫌でも覚えると思うのですが、半年に一度しかやらなければなかなか覚えられないのはムリもないことです。

 

意識しているのは「源泉」、「所得税」、「納期限」という用語を使わないこと。

「源泉」は「天引き」

「所得税」は「税金」

「納期限」は「支払いの期限」

という感じに言い換えています。

 

「1~6月の間に毎月お給料などから”源泉”してきた”所得税”を支払う時期になりましたので、」

よりも

「1~6月の間に毎月お給料などから”天引き”してきた”税金”を支払う時期になりましたので、」

の方が少しはわかりやすくなっていないでしょうか?

 

案内の難易度がワンランクあがるのは、「士業(税理士、弁護士、司法書士、社会保険労務士など)」への支払いについて。

「士業」への支払いをするときにも請求額の約10%を天引きしたうえで支払う、というルールがあるんですがこれがなかなか理解されにくくて…

 

お給料からの天引きは感覚的に理解されやすいんです。

「あー、従業員の代わりに税金を払わなきゃいけないのね。その分お給料から天引きしているんだからしょうがないよね。」と。

これが例えば税理士への支払い分となると

「え?なんで税理士さんの代わりにうちが税金支払わなきゃいけないの?」となりがちなんです(請求書には天引き額を明記しているんですけどね…)。

 

「請求額の1割を天引きした状態になっているので、その分を今回支払う必要があるんですよ。」

って感じでお話しするんですが、お客さんの中にはやっぱり腑に落ちない顔をされている方も…

未だにこの部分の説明方法は模索中です(-_-;)

 

専門用語の「難しい」「わかりやすい」の境目は判断が難しい

「難しいことをわかりやすく」

常々意識していることですが、これはホントに加減が難しい。

 

税理士業界に転職してきてもうすぐ12年。

自分では専門用語と思っていなくても、お客さんにとっては難しい用語ということが多々あるんです。

どの業界でも長くいると何が専門用語かわからなくなってしまいがちなのかもしれませんね。

 

「この用語はお客さんにとっては”難しい”かも…」

と用心しすぎてもしすぎることはないと思うので、わかりやすい言葉を探し続けることをこれからも心がけたいと思います。