科目印

※某会計事務所向けカタログの1ページ

 

科目印。

会計事務所に転職して初めて目にしたモノです。

某会計事務所向けの事務用品を販売している会社の最新版カタログを見てみると4ページにわたって様々な種類の科目印が販売されていました。

それだけ需要があるということなのでしょう。

メリットは科目を手書きするより早くて楽という点だと思います。

でも私には疑問でした。

会計事務所に科目印は本当に必要なのでしょうか?

 

入社したての頃は紙の振替伝票に科目印を押す業務があった

会計事務所に転職して最初の仕事は会計データの入力でした。

先輩職員がお客さんから預かってきた資料を見ながら会計ソフトにデータ(仕訳)を入力、いわゆる記帳代行業務です。

お客さんの方で伝票を作成している場合は原則その通りに入力をするだけです。

 

その一方で領収書や通帳を丸投げするお客さんもいました。

そのときに今も???と感じているやり方を上司から指示されました。

それは

領収書や通帳を見ながら振替伝票に仕訳を手書き(勘定科目は科目印を押す)→振替伝票を見ながら会計ソフトにデータ入力

というやり方。

 

入社したての頃は特に疑問をもたずにそのやり方で進めたのですが…

 

直接入力すればいいんじゃない?

何ヶ月分も振替伝票に科目印をペタペタ押して金額を手書きして…ある日ふと思います。

 

「領収書や通帳を見れば仕訳は思い浮かぶんだから振替伝票を作らなくても直接入力すればいいんじゃない?」

 

早速上司に提案してみました。

しかし上司は渋い顔。

そしてこう言われました。

「お客さんの手許に伝票がなきゃ、いざというとき不便だろ!」

 

…??

そういうものなのかな?

まだ会計業務の全体がイメージできていない自分にはその重要性が理解できていないんだと思い、おとなしく言われたとおりに業務を進めました。

 

しかし今になればわかります。

お客さんの手許に伝票がなきゃ困る?

そんなことはありません。

お客さん側で過去の取引(仕訳)を確認したい、というケースは確かにあると思いますが、それは会計ソフトから出力できる「仕訳日記帳」で十分代替できるからです。

 

振替伝票は作成できるけどPCが苦手で会計事務所に会計データの入力を依頼している、という会社が科目印を使うのは科目を手書きで書くより早いのでメリットはあると思います。

しかしPCへの会計データ入力をする会計事務所の職員自身が振替伝票を手書きするメリットは…

はっきり言ってないと思います!

 

昔からの慣習を思いきって見直すことが効率化につながる

「伝票会計」という用語がある位「伝票」は会計の世界でメジャーな存在です。

簿記の勉強でも「伝票会計」という分野がありました。

恐らくPCが広く普及する前はこの伝票が仕訳日記帳や元帳の代わりとなり、税務上保存が必要な帳簿としての役割を果たしていたのでしょう(某大手税務ソフト会社の3枚複写式伝票というものは元帳の代わりにできた、という情報を見つけました)。

しかしこれだけPCや会計ソフトが普及した今、元帳も仕訳日記帳も印刷しようと思えばすぐにできます。

もちろん紙代やインク代はかかりますが、すべての伝票を手書きで完成させる人件費と比較すれば微々たるものだと思います。

 

会計、税務業界では

「前任者と同じ方法でやる」

ということはよくあります。

前任者と同じ方法をとれば失敗するリスクをかなり減らせるからです(前任者の方法がかなりいい加減で同じ方法ではできない、ということもあったりしますが…)。

 

このときリスクを恐れるあまり

「この作業は何のためにやるのかな…?」

と疑問に思っても、とりあえず同じようにやってしまう。

それを何年も繰り返すと疑問にも思わなくなってしまう…

会計事務所職員が今も科目印を使い続けているのは業界的にこんな感じで保守的な考え方をする人が多いからかもしれませんね。

 

昔からの習慣は往々にして時間がかかる作業だったりします。

今残業が多くてきつい…と嘆いている方も、業務の一つ一つが本当に必要かどうか見直してみてはいかがでしょうか。

こっそりやめてしまうのだってありだと思います。

やめた結果クレームがでなければ、その業務はそもそも誰からも必要とされていなかった可能性が高いです。

事務所内でルール化されている業務は上司に相談したうえでルール自体を変える努力をすべきですが、ただ慣習的に行われている業務ならとりあえず実験的にやめてみるのもありなのでは。

もちろん、お客さんには説明して承諾を得るのをお忘れなく。

 

 

[今週の雑談]

NHKの「チコちゃんに叱られる」がおもしろくてちょくちょく見てます。

先週の放送でとりあげられた疑問は

「カラオケで小指がピーンとなるのはなぜ?」

カラオケが得意でない自分もたまにお付き合いでマイクを持つことがありますが、いつも自然と小指がピーンとなるので

「自分ってナルシストなのかな…?」

と不思議に思っていました。

自分はナルシストとは程遠い人種なので(^^;)

 

番組内の答えは

「人はそーっとモノをつかもうとすると小指がピーンとなる生き物だから」

だそうです。

小指には独自の筋が通っていて、そーっとモノをつかもうとするとこの筋が動いてしまうから…らしいです!

とりあえずナルシストかどうかとはまったく無関係だということがわかって、とてもスッキリしました(^^)