事務所の固定電話を4年半使い続けた理由とやめた理由

固定電話、やめました。

約4年半使い続けた事務所の固定電話。

なぜ使い続け、そしてなぜやめたのか。

 

固定電話を使い続けた理由

独立当初、固定電話を契約するか迷いました。

いわゆる「電話番」をやってくれるような事務員を雇う予定はないし。

そもそも連絡手段としては電話よりメールを優先させたいし。

固定電話を契約するメリットはさほど見いだせませんでした。

それでも固定電話を契約した理由。

それは「信用」をえるため。

「今どき、固定電話の有無なんて若い人は気にしないよ!」

という考えもありますし

「固定電話がないなんて、事務所として信用されないよ!」

という考えもあります。

個人的には不要と思える固定電話ですが、お客さんによってはその有無を気にする人がいるかもしれない。

そこで私は保守的な方を選択したんです。

「固定電話がなくて信用できない、って人はいてもその逆はないでしょ。」

と。

あるに越したことはないだろうと。

そう考え、独立当初は固定電話を設置することに納得していたんですが…

 

固定電話をやめた理由

事務所に常時勤務する事務員はいないので、自分が外出してしまえば固定電話にでることはできません。

そこで、固定電話の着信は100%自分の携帯電話に転送されるよう設定しました。

そうすれば外出していても着信に対応できるので問題ありません。

けど、これって100%携帯電話で対応しているのとまったく変わらないんですよね。

携帯電話だけ使っているのと状況的には変わらないのに、月々の利用料が固定電話分だけ割高になる。

この状況に「なんだかなぁ」とモヤモヤしつつも、そこまで大きな金額ではないので

「まぁ、固定電話の利用料で事務所の信用を維持していると思えば…」

と自分を納得させていました。

 

そんな状況が変わったのが今年。

固定電話の廃止を真剣に検討するようになりました。

事務所の光回線のプロバイダーを乗り換えるにあたり、固定電話の番号は引き継げないことがわかったからです。

2020年以降通信業界の利用料値下げの動きはすさまじいものがあります。

自分に合った適切な会社と料金プランを選ぶことができれば、通信費を月々数千円下げることは決して難しくありません。

携帯電話業界は以前当たり前だった2年縛りがほぼなくなりました。

異なる会社間での番号の持ち運びも簡単にできます。

光回線はまだ2年縛りありがスタンダードのようですが、これも無くしていく方向に傾いているようです。

このように通信会社を自由に選べることができる状況が整いつつある中では、「固定電話の維持」は自分にとってよりよい通信会社を選ぶときの足かせでしかなくなってきたわけです。

この足かせを外す、すなわち固定電話をやめることで、もし事務所を「信用」できないという人がいたらそれはもうしょーがないな、と。

それよりもこの足かせを外したい。

そう考え、固定電話をやめるという結論に至りました。

 

ダメだったら、戻せばいい

プロバイダー乗り換えのためには専用の番号(「事業者変更承諾番号」または「転用承諾番号」)を取得する必要があります。

この番号を取得するために電話をかけたとき、ずいぶんと引き止められました。

「長く使ってもらっているし、ぜひ考え直して今後も末永くお付き合いいただきたい。」

「オプションを見直せば、もっと安くなりますよ。」

「乗り換え先、電波状況がいまいちな評判を聞いたりしますよ。」

などなど。

自社の顧客が「止めさせてほしい。」と言ってきているわけですから、引き止めるのは当然といえば当然でしょうが。

引き止めの提案ばかりでなかなか話が進まなかったので、つい話を遮って言ってしまいました。

「乗り換えた結果、電波がつながらなかったり通信速度が遅かったりするようだったら、またすぐそちらに戻しますから!!」

と。

 

あまり深く考えての発言ではなかったのですが、自分自身の発言ながらこの考え方はありだな、と。

「ダメだったら戻せばいい。」

新たに選んだプロバイダーは2年縛りどころか、脅威の3年縛りです。

とはいっても、中途解約時の手数料は他の通信会社と同じ税込10,450円。

他社の通信品質を体験する勉強代と思えば、まぁいいかと。

 

変えないことはラクです。

料金も継続なら基本変わりませんし、なんなら契約内容をよくわかっていなくても問題ありませんし。

一方で変えることはラクではありません。

変えようとするサービスの内容をしっかり理解しないと、いいも悪いも判断できません。

理解するためには気力も時間もかかりますし。

ただし、その費やす気力や時間に見合ったメリットが見込めるようであれば変えてみる価値ありです。

 

今回の光回線乗り換えの決断に至るまでには、かなりの時間を費やしました。

けど、そのおかげで月々の通信費を削減できそうですし、なにより通信の仕組みを勉強するいい機会になりました。

プロバイダーが提供するサービスのことを調べていたら

IPv4だの、IPv6だの、PPPoEだの、IPoEだの、NTEだの、VNEだの、MAP-Eだの、DS-Liteだの…

わからない用語がたくさんでてきて、正直途中でいやになりましたが^^

それらの用語の意味をひとつひとつ調べていく過程で、通信の仕組みを以前より具体的にイメージできるようになったことが自分にとって大きなメリットでした。

 

現状受けているサービスに不満があるなら、変えてみましょう。

ダメだったら戻せばいいんです。