オリジナルの暗記方法

税理士試験の受験生時代、多くの税法を暗記してきました。
今回はこの暗記方法について自分で編み出した方法を書いてみます。
税理士試験の理論暗記に悩む受験生の方向けの記事です。

税理士試験における「理論」

税理士試験の内容はほとんどの科目で「計算」と「理論」に分かれています。
この「理論」は最近でこそ科目によって扱いが変わってきましたが、解答として丸暗記した条文を記載することが求められます。

専門学校でも基本的には条文を一言一句違わず完璧に暗記しなければ合格答案は作れないと言われていました。
私が受験した科目でも「~について説明しなさい。」とだけ出題され、それに対して解答用紙数枚に丸暗記した条文をひたすら書きなぐった記憶があります。

条文の丸暗記は非効率で意味がない、という声はよく聞きますし私もそう思います。けれど極端に問題量が多い税理士試験ではじっくり解答を考える余裕はありません。
丸暗記したものを解答用紙にそのまま書き出すことが一番時間がかからないことを考えると、合格するためにはまだまだ理論の丸暗記はせざるをえないと思います。

暗記は苦痛なのが当たり前

大前提として多くの人にとって暗記は苦痛です。
専門学校が用意してくれる理論集を覚えていくのですが、税理士試験で最もボリュームがあるといわれる法人税法では約90題(1題がB5用紙1~2枚)。途方もない数です…

暗記が楽しくなる方法、なんてものがあればぜひとも知りたかったのですがそんな方法は見つけられませんでした。
となれば次に考えつくのはどうすれば少しでも楽に暗記ができるか。

書くか読むか

一般的な方法は暗記すべき内容をひたすら書くか、ひたすら読む(黙読または音読)かです。
どちらも試しましたが、私はひたすら音読する方法が合っていました。

本番では暗記した内容を書かねばならず、覚えた内容を書くという訓練も少しは必要です。
けれど膨大な量をひたすら書くというのはやや非効率なのではないかと思います。
何度も音読して覚えたものをきちんと書き出せるか、たまに試してみる程度で十分ではないかと。

もっとインパクトを!

何度音読してもそう簡単には頭に入ってきません。
しかも一度覚えたものはすぐに忘れてしまいます。
頭の中に定着させるには何度も覚えなおすという作業も必要になってきます。

その過程で少しでも頭に定着させやすくするために自分にとってインパクトがある方法を考えました。

リズムをつける
暗記した条文を書こうとする場合出だしが浮かばなくて全然書けない、逆に出だしが浮かべばすらすら書けるということがよくありました。
この出だしを浮かびやすくするために冒頭の一文にリズムをつけるようにしました。ラップのようなイメージで4拍・8拍程度に収まるよう冒頭の一文をまとめます。
作っているところも暗唱しているところも人様に見られたら相当恥ずかしいですが…自分の部屋とかの一目にふれないところでやってました。
その結果かなり出だしの文章が浮かびやすくなりました!

・頭文字だけ覚える
箇条書きの条文の場合、各条文の最初の一文字だけ拾い出し、ついでにリズムをつけてそれだけを単独で覚えてしまいます。
こうすれば箇条書きで10個あることは覚えているのに途中の1個だけ思い出せない…なんて事態を防ぎやすくなります!

・説明するイメージをもちながら暗記した条文を口にだす
暗記した条文はそらで言えるようにするため何度も口にだします。
このときただお経のように唱えるだけではなく、暗記した内容を説明するつもりで身振り手振りを交えて口にだします。
こうすることで自分自身の理解が深まり印象にも残りやすくなりました!

記憶のタンスに取手を複数作っておく

昔好きだったマンガの話の中にこんな内容がありました。
「記憶喪失は記憶をしまっているタンスが何かの原因で空かなくなってしまった状態。このとんかちならそのタンスを叩いて無理やり空けることができるよ!」的な(やや、うろ覚えですが…)。

通常の音読でタンスに条文を詰めた後、それをどうひっぱりだすか。
通常の覚えたものを思い出す手順が取手の1つを引っ張るイメージだとすれば、覚えたはずなのに思い出せないのはその取手がなんらかの原因で一時的に壊れてしまった状態。

上の方で書いた自分なりの暗記方法は通常の取手とは異なる複数の取手を作っておいたり、とんかちを作っておくイメージです。
取手を複数作っておけば、もしくは後ろからとんかちで叩きだすことができれば覚えたはずのことが思い出せない、そんな状況を防げるのではないでしょうか。

試行錯誤してみよう

ネット上では「記憶術」と検索すればいろいろと引っかかってきます。
そこにでているものを試してみれば自分自身に合ったものが見つかり、効率をあげられるかもしれません。

ただ、それとは別に
「こんなやり方はどうかな?」
と自分で考えてみるのも悪くないと思います。
考えたやり方を試行錯誤していく中でオリジナルの自分に合った暗記方法が見つけられるかもしれません。

つらい暗記も自分でみつけた効率的(と思える)方法で取り組めば、少しはその苦痛も和らぐと思いますよ!