法律を確認するならe-Gov(イーガブ)が便利!
税理士は税の専門家。
といっても、税法を丸暗記しているわけではありません。
いや、税理士試験の勉強をしているときに丸暗記してるっちゃしてるんですが、条文番号までは暗記していないし、毎年改正されていく法律をすべて暗記し直すことは不可能です。
そのため、実務上どう判断していいか悩む案件に遭遇したとき、自分なりの考えや結論を導きだすには根拠となる法律を確認することが欠かせません。
そんなときに役立つサイトがあります。
国が運営する
完全無料で使える、とても便利なサイトです。
デジタルならではのメリット、検索がかんたん
法律の検索はトップ画面の「法令検索」から可能です。
検索画面で「所得税法」と入力したところ
法律名に「所得税法」が含まれたものが14件ヒットしました。
その中から「所得税法」をクリックします。
法律の目次がずら~っと表示されます。
全部表示されているとサイトが重たくなるので、いったん「全解除」してしまうことをおすすめします。
その後、左側にある目次から確認したい条文にチェックを入れます。
このとき、Chromeなどの主要なブラウザであればCtrl+Fで確認したい条文番号やキーワードを入れればかんたんに該当条文を見つけられます(画像は「百五十七」条を検索して、チェックをいれた後です)。
通達は国税庁サイトで確認できる
e-Govでは「法令」を検索できます。
ブログ本文ではわかりやすさを優先して「法律」と書いてきましたが、正しく書けば「法律」ではなく「法令」なので、「法律」以外の「命令」も検索できるんです。
「命令」と言われてもピンとこない方が多いと思います。
所得税なら「所得税法施行令」・「所得税法施行規則」がこの「命令」にあたり、所得税法本文では書ききれない詳細や計算方法などを補完する役割があります。
一方、税務の現場ではよく「通達」という用語がでてきます。
「この場合、”通達”では〇〇となっているので~」
といった感じに、税務判断の根拠として使われたりします。
あたかも法律と同様に取り扱われがちな通達ですが、実は法的拘束力をもっているわけではありません。
税務上の「通達」はあくまで課税庁側の上部組織から下部組織へ「こういったときは、こうしなさい」と指示をだしている文書に過ぎないからです。
実務上は法律をどう解釈するかの指針となっていることが多いのが現状ですが…
「通達」は「法律」でも「命令」でもないので、e-Govで確認することはできません。
国税庁サイトのトップページの「法令等」プルダウンメニュー「法令解釈通達」から各税法の通達を確認できます。
ちなみに、ひとつ上のメニューからe-Govへアクセスすることも可能です。
実務上はブラウザの検索バーに「税法名」+「通達」+「番号」or「キーワード」を入れて該当通達をダイレクトに検索結果に表示させてしまうことが多いんですけどね。
さいごに
以前勤務していた事務所には分厚い「税務六法」が置かれていました。
しかし、勤務していた時代でも私も含め事務所員が「税務六法」を見ていることはほとんどなかったような気がします。
書籍に書かれていることも、e-Govに書かれていることも同じ内容。
さらに書籍の場合は毎年最新版を購入していかなければ、税制改正後の条文を確認できない可能性もあるわけです。
であれば、検索機能に優れ、かつ無料で使えるe-Govを活用しない手はありません。
せっかく国が用意してくれた便利なサイトです、存分に使わせてもらいましょう!