全然知らない業界の用語解説がおもしろかったので、自分のところ(税理士業)の業界用語をあらためて考えてみた
※税理士登録時にもらった資料と税理士バッジ
先日とある本を読んでいたら自分が全然知らない業界の用語を解説しているページがありまして。
まったくわからない話でしたが、なんとなくその業界のことに詳しくなれた気がしておもしろく読むことができました。
普段は税理士業界の専門用語をなるべく使わないよう意識しています。業界用語も。
職場内や税理士同士などこの業界で仕事をしてなければ???となる言葉が結構あると思います。
けど私がそうだったように、税理士業界を知らない方から見れば業界用語を通じてこの業界の様子が垣間見れるかもしれません。
興味をもってもらえるかはわかりませんが、今回はそんな税理士業界特有の用語を紹介してみます。
業界用語勝手に7選
1.ねんちょー(年調)
年末調整のこと。
この記事を書いているのがまさにもうすぐ始まる年末調整前の時期だったので、まっさきに思い浮かびました。
家族の情報を書いたり保険会社から届いた証明書を会社に提出すると、税金が還付されて普段の月より給与の手取りが増える(ことが多い)アレです。
税理士業界の冬から春にかけての繁忙期はこの年末調整からスタートします。
会計事務所職員からすると書類の作成自体難易度は高くないものの、各会社の社員さんから年末調整に必要な書類を漏れなく提出してもらえるよう段取りをするのが大変。
「今年のねんちょーの書類、いつもより1枚増えてるしほんとメンドクサイよね(怒)」って感じで使います。
2.のーとく(納特)
源泉所得税の納期の特例のこと。
原則は従業員の給与から天引きした源泉所得税は翌月10日までに支払わないといけないのですが、従業員10人未満の会社の場合は半年に1回でOK。
納期の原則に対する特例なので略して納特。
会計事務所職員からすると1件あたりの事務作業はたいしたことないものの、半年に1度まとめての作業かつ支払期限がシビアなため一時的に結構忙しくなります。
おまけに源泉所得税は期限内に支払いをしないとすぐ罰金的な税金がかかってくるので締切もシビア。
「あのお客さんはのーとくだったっけ?」って感じで使います。
3.きゅーほー(給報)
給与支払報告書のこと。
年末調整で作成した資料を基に各社員さんの給与に関する情報を1枚の用紙にまとめたのが給与支払報告書。
これを年明け1月31日までに従業員さんが住む各市町村へ提出しないといけません。
以前は紙ベースだったので従業員さんの人数が多く提出する市町村が多いとかなり大変な作業でした。
今では電子申告のシステムがあるので給与データさえ間違いなく登録しておけばワンクリックで各市町村へ送信されるのでずいぶんラクになりました。
4.あお(青)
青色申告のこと。
たいして省略できていませんが(^^;)
お客さんが青色申告なのか白色申告なのかは非常に重要な情報です。
事前に税務署へ届出ておかないと青色申告はできないので、会計事務所でしっかり管理していないといけません。
事務所内で青色申告の届出がでているか確認するときは
「〇〇さんは、あおの届出だしてあったっけ?」
って感じで聞いたりします。
5.せんじゅー(専従)
青色専従者給与やその届出書のこと(を指す場合がほとんど)。
青色申告の場合事前に届出書を提出しておけば一緒に暮らす家族に支払う給与を経費にできます。
事前に届け出ていないといけないので、会計事務所では特にこの届出が提出済かどうかに気をつかいます。
「○○さんはもうせんじゅーの届出だしてある?」
って感じで聞いたりしてました。
6.しゃほ(社保)
社会保険料のこと。
税理士業界というより社労士さんや総務分野の方の用語ですね。
ただ税理士事務所でも社会保険料の金額が税金計算に関わってきたりするのでよく使われます。
7.びーえす、ぴーえる(B/S:貸借対照表、P/L:損益計算書)
最初に知ったとき、なんかカッコいい!と思った記憶があります(笑)
決算書は貸借対照表と損益計算書がセット。
どちらも名前が長い!言いにくい!
ただなぜかこの2つは英語のBalance SheetとPlofit and Loss statementからきています。
「貸借」とか「損益」より言いやすいから広まったのかもしれません。
「ぴーえるばっか見ててもだめ、びーえすも見なきゃね。」
といった感じで使われたりします。
まとめ
こうやって並べてみるとどれもうまいこと文字を短くできていますね。
みんな忙しく仕事を進める中で少しでも早く情報を伝達できるようどんどん短くなっていったのかもしれません。
転職したての頃は説明もなくこういった用語がでてきてかなり戸惑ったのを覚えています。
誰も教えてくれないからわかったフリして後でこっそりググったり(^^;)
自分の当たり前が相手にとっての当たり前とは限りません。
省略された用語は特に相手をみて使い分けるようにしたいですね。
[今週の雑談]
以前勤務していた小売店では業界用語というか隠語がありました。
テレビのバラエティー番組でも紹介されたりするので存在自体はわりと知られているかもしれません。
食事、トイレ、万引き、などに設定されていました。
万引き犯を見つけて店長に知らせるときに
「店長、万引き犯見つけました!」
なんて言ったら犯人にばれてしまうので
「店長、○○です!」
と隠語を使って伝えたり。
店舗の売上予算も隠語を使っていました。
数字の0~9それぞれにあ~んの50音の中から特定の文字を結びつけるというルールで。
予算を口頭で伝えるときは必ずその隠語を使わなきゃいけないルールでした。
機密保持のためだったと思うんですが、入社したての頃はその何の規則性もない隠語を覚えるのにえらく苦労しました。
そういう大事な話はお客のいない事務所だけで話すようにすればよかったのでは…
と今でもそこまでして覚えなきゃいけなかったのか疑問に思っています。