はじめてのクレジットカードはいつ作るべきか
ここ数年でキャッシュレス決済もだいぶ浸透してきました。
昔からあるキャッシュレス決済の代表といえばクレジットカード決済。
初めてのクレジットカード(以下、カード)はいつ作っておくべきか、という論点があります。
・必要がなければそもそも作らなくてよし、必要になったら作ればいい
・カードの利用履歴(クレジットヒストリー:通称「クレヒス」)がないまま年齢が高くなると安定した収入があってもカードの審査がきびしくなるので、若いうちに作っておくべき
・収入の少ない学生のうちは作るべきじゃない、社会人になってから作ればいい
いろんな考え方があり、一概に「これが正解!」という結論はだせませんが個人的には
・社会人1~3年目くらいの間に作る
のがベターかな、と考えています。
学生の金銭感覚は甘い可能性が高い
社会人1~3年目くらいの間に作るのがベター、ということは裏を返せば
・学生のうちはカードを作るべきじゃない
ということになります。
なぜ学生のうちにカードを作るべきではないのか。
理由は、学生の金銭感覚は甘い可能性が高いからです。
自身を振り返ってみても、大学生時代は今よりはるかに物欲がありました。
ほしいものはたくさんあるけど、大学生がアルバイトで稼げる収入なんてしれています。
親からの仕送りは通常すべて生活費や学費に消えてしまいます。
人によってはアルバイト収入だって生活費に充てなければやっていいけない人もいるでしょう。
ほしいものだらけなのに、お金はない…
そんな状況のときにカードがあったら?
自分は学生時代カードを作りませんでしたが、中型バイクをフルローンで買おうとした痛い過去があります(親に猛反対されローンは中止、その後1年間貯蓄したお金で買いました)。
カードを持っていたら、それ以外に欲しかったものも安易にカードで買ってしまっていたかもしれません。
特に収入が低いうちは、ろくに貯金もありません。
手もとのお金でやりくりできないときにすぐカードに頼るようなクセがついてしまえば、そのうち借金だって抵抗なくするようになるかもしれません。
あっという間に債務超過状態になってしまいかねません。
大学生の頃は「カードを持ちたい!」なんて考えたこと自体ありませんでしたが、結果的に持たなくて正解だったんじゃないかなと思っています。
はじめてカードを作ったのは、社会人1年目
はじめて自分名義のカードを作ったのは、社会人1年目でした。
毎日22時で帰れれば早い方だったので、帰りの時間帯に営業しているスーパーは帰路の途中にあるイオンくらい。
イオンカードを作ればいろいろお得!
というキャンペーンに惹かれて、確か加入したような記憶が。
どんな審査が行われたのかはわかりませんが、あっさり作ることができました。
でもせっかく作ったカードでしたが、当時はほとんど使いませんでした。
前回の記事でも触れたとおり、
「借金はとにかくダメ!」
と常日ごろ教えてくれた親の影響が強かったのでしょう。
カードを使うことにすごく抵抗があったんです。
カードは現金の持ち合わせがたまたまないときにやむなく使うもの、当時はそんな意識でした。
毎月十分とはいえない新卒の収入の中から生活費を支払い、欲しいものは優先順位をつけて収入の範囲で購入する。
この経験を積み重ねて、はじめて金銭感覚は鍛えられます。
実際自分もちょこちょこ失敗はしつつも、限られた収入の中でやりくりする金銭感覚はこの頃に鍛えることができたんじゃないかな、と思っています。
そういった経験がない学生の時点でカードを作ってしまうのは、やはり怖いなぁ…と。
ちなみにその後現金決済派の自分がカードを積極的に使うようになったのは、新卒から10年以上経過した35歳前後。
この頃に現金決済ほぼ100%から、一気にキャッシュレス決済ほぼ100%へ転換しました。
すでに収入の範囲内で生活をやりくりする金銭感覚はバッチリ身につけていたので、キャッシュレス決済への転換に何もデメリットはありませんでした。
カード明細による支出の見える化を実現できたり、支払を高還元率カードに一本化したことにより年間数万円分のポイント収入をゲットできたりと、メリットばっかりでしたね。
例外:カードをむしろ作らない方がいい人
というわけで、カードを初めて作るタイミングは社会人1~3年目がベターである理由を自分の経験も踏まえて解説してみました。
しかし、中にはこれが当てはまらない人もいます。
以下に該当するような人は、カード決済よりもむしろ現金決済のみにしてしまった方がいいでしょう。
通常カードを継続的に使い続けて滞りなく支払をしていれば、「毎月滞りなく支払っている」という「信用」が実績として積み重なっていきます。
「信用」が積み重なっていくのであれば、将来住宅ローンなど大きな借入が必要になるときに、これまでの滞りなしの支払実績がプラス評価に働く可能性は十分あります。
しかし、以下に該当するような人は支払が滞る可能性が高く、信用を積み重ねるどころかマイナス評価になってしまう可能性が高いです。
将来住宅ローンなどどうしても必要になる借入をするときの審査でマイナス評価になるくらいであれば、いっそカード決済自体やめてしまった方がましといえるでしょう。
カードを使った分浮いたお金を別途よけておけない人
カードを使った分は現金がその場で減らないので、当然その分お金は浮いているわけです。
この浮いたお金を通常の貯金とは別枠で管理できない人は、確定した1ヶ月分の決済金額に驚き、そのお金をどう用意するかに頭を悩ませてしまいます。
このような人はそもそもカード自体使わない方が賢明なんじゃないかと。
預金口座の残高を定期的にチェックする習慣がない人
カード決済用の口座残高をまめにチェックしていないと、残高不足で引落しができず、滞納状態になってしまいます。
督促状が届くことに慣れてしまっている方もいるのではないでしょうか。
「遅れているとはいえ、ちゃんと払っているんだからいいだろう。」
は借りている側(カード利用者側)の論理です。
貸している側(カード会社側)は常に
「遅れずにちゃんと払ってくれる」人に利用してほしいと思っています。
「分割払」や「リボ払」など、月々の支払額が減る支払方法に魅力を感じる人
カード決済でお得になるのは利息がつかない「一括払」もしくは「2回払」までです。
無利息でポイントがもらえますからね。
利息を負担することになる「3回以上の分割払」や「リボ払」は絶対におすすめしません。
特に普段の生活費を分割払しなければお金がまわらないようであれば、支出が収入を上回っている可能性が高いです。
早急な家計の見直しをすべきでしょう。
事業用の資産を購入する場合に「資金繰りを悪化させないために」分割払、というのであればまだ理解できますが…
ただその場合も、銀行から設備資金としてもっと安い金利で借りることを検討すべきでしょうね。
分割払にして支払総額が増加してしまうという事実に目を伏せ、月々の支払額が減ることを優先してしまうようであれば、カードを使いこなす金銭感覚が身についているとはとても言い難いでしょう。
さいごに
カード決済を含むキャッシュレス決済はとても便利なものです。
社会人になったけど、まだ一度もカードを作ったことがないという方はぜひ作ってみてもらえれば。
カードで決済する月の予算を決めて、その予算枠を守ってすべて一括払で決済し、1ヶ月後なり2ヶ月後なりの決済日に間違いなくその利用分の貯金が預金口座にある状態を常にキープする。
それさえできれば、金利は1円も負担することなく少なからずポイントだってついてきます。
節度を守った利用さえできれば、メリットしかない。
これがキャッシュレス決済メインになって5年以上経過した、現時点の自分の正直な感想です。