「時給計算」をしたくなかったあの頃と、しなくちゃいけないこれからと。 前々職の給与明細から時給計算をしてみた
※新卒で就職した会社の給与明細。
私が新卒で就職した会社は結構なブラック企業だったことは過去の記事で何度か書いたのですが。
ブラック企業あるあるの一つとして有名なのは
「自分の給与を時給計算するな!」
というやつ。
理由はシンプル。
その金額のあまりの低さにやる気をなくしてしまうからでしょう。
先日実家に帰ったときに机の引出しから当時の給与明細がでてきました。
当時がどれだけきつい労働環境だったのか、転職して10年以上経った今あらためて時給計算をして当時を振り返ってみようと思います。
サービス残業を含めるとすごい時給に…
※辞める数ヶ月前の給与明細の中身
給与明細を見てみると…
支給額が約25万円。
労働時間は約190時間。有給消化を2日使ってこの時間なので、もし有給を使っていなければ8時間×2日=16時間追加になるので190時間+16時間=206時間。
(ちなみにこの有給は通常の2連休に2日加えて繁忙期のお盆を過ぎた後の長期休暇4連休とするために消化。制度としての長期休暇なんてものはありませんでした…)
25万円÷206時間=1,213円/時間。
就職氷河期で不況だった当時、入社3年目でこの金額は高いとは決して言えなくても低すぎるとも言えないくらいだったと思います。
ただし。
残念なのはこの労働時間は実態をまったく反映していないこと。
当時1日1時間程度残業をつけたところでタイムカードを押しにいくのが暗黙の了解だったので給与明細に載るのはその分だけ。
この給与明細の月は棚卸作業があったため、通常月より残業時間を多くつけられたのだと思います。
実態は
①サービス残業
就業開始時間前に1時間、タイムカードを押した後2時間はサービス残業していたので1日あたり3時間。
1ヶ月の出勤日数22日×3時間=66時間。
②サービス休日出勤
月9日休みの内少なくとも半分は店に行って、半日は仕事をしていたので4日×4時間=16時間。
①+②=82時間
かなり少なめに見積もってこの数値。
サービス残業だけで過労死ラインの80時間を超えてますね…
先ほどの給与明細記載の労働時間190時間に有給消化分の16時間、そしてサービス残業82時間を加えると実労働時間は288時間。
この実労働時間で時給計算をすると…
25万円÷288時間=868円/時間
…ここまでくるとまさにアルバイト並みです。
当時
「時給換算すればアルバイトより低いんじゃね?(笑)」
と先輩方が言い合っていたのが思い出されます(泣)
小売業が就職先として人気がない、という意見もおおいに納得できました。
もちろん当時から10年以上経過しているので労働環境は改善されているかもしれませんが…
前向きに考えればスタート地点がこの環境だったので、その後の労働環境に耐えやすくなったというのはあったかもしれません。
税理士業界も一般的には薄給激務なイメージがあるようですが、自分は少なくとも何があっても「前職よりはマシだ」と思えたので。
自分が勤めた事務所は残業代については全額支給されたので、その点についてはとても感動したのをよく覚えています(笑)
独立後は自分の時給を意識しなくちゃいけない
独立後、個人事業主には「給与」という概念がなくなります(自分で法人を設立すれば別ですが)。
けれど「時給」は把握するべきだと思います。
個人事業主の「時給」とは
「売上÷労働時間」。
この「時給」の現状はさすがに公表できませんが(^^;)
目標は
・売上を増やしつつ、自身の効率化を進めて労働時間を減らして前年より「時給」を高める
または
・売上を減らしても、それ以上に労働時間を減らして前年より「時給」を高める
です。
売上を伸ばそうとして労働時間をどんどん増やせば余裕がなくなり、新しいことを勉強する時間がなくなってしまいます。
新しいことを勉強しないということは1年後の自分はなんら変わっていないということ。
それでも仕事を続けていけるとは思うのですが、ひたすら仕事ばかりで成長がない税理士にはなりたくないのでこの「時給」にはこだわり続けたいと思っています。
売上の数値だけ見ていても効率よく稼げているかはわかりません。
サラリーマンのときは見たくなかったこの「時給」ですが、個人事業主となった今は自分の仕事内容を評価するための大事な指標になっています。
[今週の雑談]
先週末お客さんの会社から事務所に戻ったときノートPCの電源コードを忘れてきたことに気付きました。
お客さんのところでの忘れ物はしないよう普段から十分注意していたのですが、普段電源コードを持ち歩くことは多くなくすっかり意識から抜けてしまい…反省です。
金曜日の夕方に気付いて事務所から往復1時間かけて取りに行きました。
行きも帰りも渋滞にハマってしまい、渋滞慣れしていない身体にはこたえました…