令和2年(2020年)分確定申告の申告期限が延長に! 延長に伴う注意点

 

緊急事態宣言が延長されたことを受け、令和2年(2020年)分確定申告の期限が延長されました。

コロナ禍での税務署や無料相談会場での密集を避けるためにも、延長されてよかったです。

ただ延長されたことに伴う注意点もあります。

 

令和2年分確定申告の申告期限

令和2年分の確定申告の申告期限は2021年4月15日に延びました。

 

所得税だけでなく、個人事業主が納める消費税や贈与税も同じ期限です。

所得税と贈与税は本来の申告期限である3月15日からちょうど1ヶ月、消費税は本来の申告期限の3月31日から約2週間延びた形ですね。

現金で税金を納める場合の納付期限は申告期限と一緒なので、こちらも4月15日に延びています。

 

 

振替納税の引落し順序に注意!

所得税と消費税は口座から自動引落しになる振替納税制度を利用できます。

この振替納税を選択している場合、通常4月20日前後に所得税、その数日後に消費税が引き落とされます。

今回の延長に伴いこの振替日も延長されていますが、確認したときに違和感を覚えました。

 

 

違和感の正体は引落しの順序です。

通常は

所得税(4月19日)→消費税(4月23日)

という順で引き落とされるところが、

消費税(5月24日)→所得税(5月31日)

と、順序が逆になっていたんですね。

 

長年確定申告をしている方ほど、引落しは所得税→消費税の順というイメージがついているはず。

それが今回は逆に。

顧問税理士がいれば、

「5月24日に消費税が○○円、5月31日に所得税が○○円引落しになります。」

といった感じで、引落し日と引落し額の案内が届くはず。

間違えることはないと思います。

ただ、顧問税理士をつけずにご自身で毎年確定申告している方は、この引落し順序を間違えた結果引落しができなかった…!という事態にならないよう注意してほしいです。

 

振替納税は振替日当日に1円でも残高が足りないといっさい引落しがされません。

そうなると、金融機関に行って納付書で税金を納めるまで延滞税がかかってしまいます。

延滞税は本来の納期限から納付が遅れるほど高額になる仕組みです(レンタルショップへのDVDの返却が遅れるほど延滞金が高くなっていくのと同じようなイメージ)。

さらにこの延滞税の計算期間は引落し日を初日と数えるのではなく、本来の申告期限の翌日、令和2年分に関しては4月16日を初日とするため、延滞税がかかりやすくなっています。

一時的な資金不足で税金が引き落とされず、無駄な延滞税を支払うような事態は絶対に避けたいところです。

 

令和2年分の所得税は「延納」届出をしても振替納税者は意味なし!

令和2年分の所得税の振替納税日がなぜ5月31日になったか。

それはおそらく、所得税の「延納」届出をした場合の振替日である5月31日と一緒にすることで引落し回数を一度にして、税務署側の経費を削減したかったからじゃないでしょうか。

 

所得税の「延納」制度とは、ざっくりいえば

「納税額の約半分の支払を5月31日まで先延ばしできる制度」

です。

所得税の振替納税は本来4月20日前後に引き落とされるので、納税額の半分を約1ヶ月半先延ばしできることになり資金繰りがその分ラクになる、というわけです。

 

その延納制度ですが、今回の申告期限延長に伴う変更はありません。

つまり、振替納税を利用している場合は延納の届出をしようがしまいが、5月31日に所得税の全額が引き落とされるということになります。

延納の届出をしても納付の期限が6月以降に伸ばせるわけではないことに注意が必要です。

現金納付をしている方の場合は4月15日までに半額支払えば、5月31日まで残り半額の支払を遅らせられるメリットがありますが、だったら最初から振替納税にしてしまった方がラクですよね。

※この画像は税務署が配布している用紙を撮影したものです。

 

 

振替納税の手続きも4月15日までにすればOK!

申告期限の延長に伴い、本来振替納税をしたい方が3月15日までに行わないといけない手続きも期限が4月15日まで延長されています。

4月15日までに手続を済ませれば、令和2年分の所得税や消費税から振替納税を利用できますよ。

※この画像も税務署が配布している用紙を撮影したものです。

 

まとめ

多くの方は確定申告の期限を毎年「3月15日」と認識しているはず。

申告期限がきっちり1ヶ月伸びているので、延長後の申告期限「4月15日」は覚えやすいと思います。

ただ、振替納税利用者の引落し日が消費税は5月24日、所得税は5月31日というのはなかなか覚えられないはず。

引落し日は手帳なり、スケジュールアプリなりに登録しておくことをオススメします。

最初の引落し日の5月24日は月曜日なので、1営業日前の5月21日(金)までに納付する消費税と所得税の合計額が口座残高に残っているか確認するようにもメモか登録をしておきましょう。

リマインダーをセットしておいてもいいですね!