月末が土日祝日だと翌月に引き落とされる経費は「未払金」で今月の経費にしよう

 

「毎月〇日に口座から自動引落し」

 

水道光熱費や電話代、家賃の支払など毎月発生する支払は自動引落しにしている方が多いでしょう。

このご時世だとクレジットカードから引落しにしている方も増えているかもしれませんね。

ポイント貯まりますし。

フリーランスの方や会社を経営されている方もこの自動引落しは活用されていると思います。

預金引落しでもカード引落しでも会計データとして連動させやすいこともあり、現金で支払っているもので自動引落しに変更できるものがあるなら

「ぜひ自動引落しにしましょう!」

と私もおすすめしています。

 

ただ注意したいのは引落し指定日が土日祝日になる場合。

この場合は引落しが土日祝日の前日か、土日祝日明けのどちらかになります。

引落し指定日が月末だと引落し日が翌月になるケースがでてきます。

このときに経費の計上日を引落し日にしていると月ごとの利益が歪んでしまいます。

その歪みを発生させないよう会計ソフトへの入力にひと手間かけよう。

今回紹介するのはこのひと手間をなるべくかんたんにすませる方法です。

 

今月の経費が0円・翌月の経費はいつもの2倍、では不自然

今回は社会保険料を例にします。

社会保険料は月末引落しで、月末が土日祝日の場合は翌月初の平日に引き落とされます。

3月決算法人の2020年上半期(4~9月)の社会保険料引落しの仕訳だけ入力するとこうなります。

金額の100万円は従業員負担分を除いた会社の負担額とします。

 

2020年上半期の場合、5月の月末が日曜日のため翌月初の6月1日が引落し日となりそれ以外の月は月末が引落し日です。

仕訳だけ見ていると特に違和感がないかもしれませんが、グラフにしてみると…

月によって大きくでっこみひっこみがあるのがよくわかります。

社会保険料は従業員を雇っている限り毎月発生する経費です。

その社会保険料が

「5月は引落しがなかったから0円、6月は引落しが2回あったからいつもの倍計上しなきゃ」

では不自然ですよね。

 

引落し日がいつであろうと、従業員が勤務している限り毎月社会保険料は発生しています。

毎月ほぼ同じ金額が引き落とされる社会保険料ならこのグラフのようになるべきなんです。

 

弥生会計上で仕訳のコピペを活用

ではどのように弥生会計上で修正すべきか。

今回は仕訳日記帳で修正していきます。

まず6月1日の仕訳をコピーします。

仕訳をクリックして右クリック→行コピーをクリック。

ショートカットキーならCtrl+Lです。

 

次は

右クリック→行貼り付けをクリック。

ショートカットキーならCtrl+Yです。

これで6月1日の仕訳が2つにできました。

わかりやすくするため検索機能で6月1日の仕訳のみ表示させています。

 

最後に仕訳の中身を修正します。

上の仕訳の日付を「06/01」から「05/31」、貸方勘定科目を「当座預金」から「未払金」に修正。

下の仕訳の借方勘定科目を「法定福利費」から「未払金」に修正します。

これで6月1日引落し分を5月31日の経費として計上する仕訳に修正できました。

 

 

「残高推移表(年間推移)」で確認するとわかりやすい

自社で会計ソフトへの登録を行っていてもこの翌月初に引落されている経費をそのまま計上しているケースは結構多い印象があります。

仕訳を登録しているときはもちろん、入力結果を試算表で確認しても違和感を抱きづらいからでしょう。

そこでオススメの確認方法があります。

月ごとの数値が一覧で表示される「推移表」を確認する方法です。

弥生会計の場合は

メニューバーの

集計→残高試算表→年間推移

で表示できます。

Alt→R→S→Y

でも表示できます。

 

仕訳を修正する前の推移表はこんな感じです。

 

5月だけ法定福利費(社会保険料)が計上されていない、6月が他の月の2倍経費が計上されていることに気づきやすく違和感を覚えやすいと思います。

 

仕訳の修正後は100万円の経費が月ごとに並んでいるのが確認できます。

 

推移表は計上もれや入力ミスが試算表よりも見つけやすいのに、意外と活用されていないケースが多いように感じます。

試算表の確認も重要ですが、合わせて推移表の内容も確認するクセをつけられれば入力内容の精度をもっと高められるはずです。

 

自社で入力するのなら月次の精度にこだわろう

せっかく自社で会計ソフトへ入力しているのであれば月次で表示される利益(損失)の精度にこだわりたいものです。

社会保険料のような大きな金額の経費を本来発生させるべき月に経費計上できていないと、ある月は経費が発生していないから大きな利益が発生、ある月は経費が2倍発生しているから大きな損失が発生という状況になりがちです。

今回紹介する方法であれば修正の手間もたいしてかかりません。

これまで翌月初の引落しでも特段修正をしていなかったという方にぜひ今回の方法を試してみてほしいです!