税理士試験でどの科目も一発合格できなかった理由

 

私は税理士試験でどの科目も一発合格できませんでした。

ほとんどの科目が2回目での合格です。

1年間専門学校の講義を受講して内容を理解できれば、税理士試験合格に必要な知識は一通り身につくはず。

どの科目も1年間がんばって講義を受講し、答練や模試もさぼらずこなしました。

にも関わらず、なぜどの科目も一発合格できなかったのか。

 

理由は

全部の理論を完璧に覚えようとしていたから

です。

 

全部の理論を覚えようとすると精度が伸びない

不合格だった1年目と合格した2年目を比較して、理論問題の出来が大きく違ったな~と今でも覚えているのは相続税法です。

当時の理論問題の出題形式は

問1が理論のべた書き。

丸暗記した税法条文を機械になったがごとく書きなぐるやつです。

問2が事例問題。

覚えた理論を事例に当てはめ、結論を導き出すやつです。

条文自体はインターネットで検索すればあっという間に見つかる昨今。

ただのべた書きができることに価値があるとは思えません。

問2で出されるような事例問題でこそ、真の理解を問えると思うのですが。

 

とは言え受験当時は必ずべた書きが1題出題されておりました。

理論配点50点の半分を占めますから決して無視できる割合ではありません。

このべた書きの解答精度が1年目はひどかった…

 

1年目の問1は非上場株式等の納税猶予についてのべた書き。

 

柱あげ(覚えた理論の題目と見出しを列挙すること)こそほぼできたものの、いざべた書きしようとするとペンがしょっちゅう止まる止まる…

暗記精度が低くて自信の無い箇所がそこかしこにあったんですね。

さらに覚えていることを全部書こうとして時間配分もうまくいかず…

惨敗でした(´;ω;`)

※思い出しやすくするために、題目の番号と各見出しの1文字目だけ最初にメモしていました

 

一方、2年目の問1もやっぱりべた書き出題。

 

こちらの問題でも柱あげをしましたが、1年目と違い必ず書く部分は◎、時間があれば書く部分は〇、書かない部分は×とメモをする工夫のあとが確認できます。

制限時間を意識したメリハリをつけられていて、我ながら成長を感じます^^

 

2年目で暗記の精度が高まっていたという理由もありますが、解答項目として抜け落ちた部分もなくこの問題についてはほぼ満点を取れました。

難易度が高いとはいえない問題でしたが、この問題で大きな失点をしなかったからこそ2年目の合格を手繰り寄せられたんだと思っています。

 

1年目は理論暗記の精度にメリハリをつけよう

本試験の理論問題でどの分野が出題されるか。

当たり前ですが誰にもまったくわかりません。

覚えていない部分が出題されたら、その時点でどれだけ計算問題の出来がよくても不合格確定といっていいでしょう。

1年間の努力が水の泡となるわけです。

そんな状況は絶対に避けたい。

こう考えると「漏れなくすべての理論を暗記しなきゃ!」となってしまいがちなのです。

 

ミニ税法なら1年目でもまだなんとかなるのかもしれませんが、国税3法(法人税・所得税・相続税)はきついでしょう。

すべての題目を暗記しようとしたあげく、すべての題目の暗記精度が合格レベルに達せず…

という事態になりかねません。

だったら、1年目は暗記の精度にメリハリをつけるべきです。

専門学校でもAからCランク、という形で題目ごとに重要度を分けてくれます。

私がいたころはそのランク付けの発表が結構遅く、「もっと早く教えてくれ~」と思ったものですが。

このランクを目安に

  • Aランクは完璧に覚えてべた書きできる
  • Bランクはほどほどに覚えて、べた書きできない部分は作文
  • Cランクは要点だけおさえて作文勝負

とメリハリをつけるんです。

ランクに関係なくすべての題目を暗記!という方法は2年目から検討すべきです。

 

1年目は特定分野の出題に賭ける!

1年目の受験では2年目以降のいわゆるベテラン受験生と勝負しようとしても、かけられる勉強時間数に絶対的な差があります。

全体的な理論の精度に差がでるのは当然。

すべての題目でベテラン受験生と勝負できる暗記精度にもっていこうとするのはそもそも無理があるんです。

 

ならば1年目の受験では特定の題目が出題されることに賭けてみてはどうでしょうか。

特定の題目が出題されたらベテラン受験生以上の解答ができるという暗記精度になるまで時間を費やし、そうじゃない題目にはあまり時間を費やさず、もし出題されてしまったらそのときは「しょうがない、また来年だ!」と割り切ってしまった方が1年目の勝率は上がる気がします。

来年、初受験する税法科目がある方の参考になればうれしいです。