「簿記論」は税理士試験の受験科目のひとつです。
簿記について幅広い知識と計算力が問われます。
日商簿記検定の1級の問題がより深く、膨大な量で出題されるイメージです。

全部で11科目ある税理士試験の中で最も入門的な科目と位置付けられているのですが…

20代後半を捧げました

税理士になるには、11科目の内5科目に合格する必要があります。
どの科目から受験するかは自由です。
ただ順番としてある程度セオリー的なものはあって「簿記論」と「財務諸表論」という科目(2つまとめて「会計科目」と呼び、これら以外の科目を「税法科目」と呼びます)から受験する方が多いです。

この2科目に働きながら2年で受かればまあまあ順調と言えます。
「財務諸表論」は2年目で合格できたのですが、「簿記論」はタイトルどおり4回落ち続け、5回目でやっと合格しました。

26歳から受けはじめ、受かったのは30歳。
貴重な20代後半の時間の多くをこの「簿記論」に捧げてしまいました(泣)

4回不合格の歴史

1年目はA判定で不合格(不合格の場合A(オシイ)~D(全然ダメ)と判定基準が通知されます)。
完全な実力不足だったので落ちたことには自分でも納得できました。

2年目はB判定で不合格。
「なんとしても今回で受かる!」と気負いすぎ、焦りが生じました。
後から見直せばあっさり解けた問題もポロポロ落とし明らかに合格ボーダーラインに届かず。
ショックでしたが、あの出来ではしょうがないとこの年も納得できました。

3年目はまたA判定で不合格。
この年は初めて自己採点で合格ボーダーラインに届いていたので、不合格通知を見たときはかなりショックでした…

4年目はまたまたA判定で不合格。
この年は歴史に残る悪問が出題された年。
第59回の第1問のリース会計問題、といえば分かる方もいるのでは。
ほぼ回答することができず心を折られました。

自分への不甲斐なさと怒りが入り混じった気持ちで集中力が一気になくなったのを今でもはっきり覚えています。
後日専門学校の解答解説会で第1問25点満点の内、4点取れてれば合格ボーダーラインにのると聞かされました。
それだけほとんどの人が回答できない、とんでもない難易度の問題だったのです。

4回目の不合格通知を受けとったときはさすがに絶望感にさいなまれました。
「自分は一生かけてもこの試験には受からないのでは…」

5年目で遂に

それでもなんとか気持ちを持ち直し、5年目の受験で遂に合格することができました!
合格通知を受け取った瞬間体の力が抜け、その場に倒れこみ大泣きしました。
後にも先にも合格して涙がでたというのはこのときだけでした。
心の底からホッとし、こう思いました。

「あぁ、これで簿記の問題を金輪際解かなくていいんだ…!」

完全に簿記アレルギーになっていましたね。
今でも他の科目ならともかく、簿記論だけは二度と勉強したくないです(笑)

合格した年は何が違ったか

合格した5年目はそれまでの年と何が違ったか?
…実力的にはたいした違いはなかったと思います。
勉強した時間からいえば4年目の方が受験科目も簿記論だけに絞り、はるかに多かったと思います。

違ったことは心境の変化。
不合格だった4年目までは心に余裕がなく、問題の取捨選択や時間配分がうまくいきませんでした。
合格した5年目は受験科目を2科目にし、
「もう簿記論は他の科目のついでに受ければいいや、そのうち受かるだろ。」
と悟りを開いたような心境になれました。
その結果難しい問題がでても心の余裕を失わず、問題の取捨選択も時間配分もうまくいきました。

簿記論になかなか受からない方へ

簿記論は入門的科目に位置付けられます。
そのためこの科目に何年も受からない人は税理士試験そのものに適正がない!なんて言われたりします。

しかし私の経験から言わせてもらえば科目には相性があると思います。
簿記論は税法科目より簡単と言われますが、私にとっては簿記論に合格する方が税法科目に合格するより遥かに大変でした。

簿記論の単独受験を続けていて結果が出ない方は複数科目受験を検討してみてはいかがでしょうか。
単独受験より負担は間違いなく増えますが、1科目あたりの心理的プレッシャーはその分減ります。
本番で緊張して問題の取捨選択や時間配分がうまくいかない…と感じている方にはぜひ試してみてもらいたいです!