確定申告会場の入り口

※確定申告の受付スタート。2019年は2月18日から始まり3月15日が最終日です。

 

「私の場合、確定申告は必要ですか?」

税理士や会計事務所職員ならこの質問を受けたことがない人はいないでしょう。

確定申告をしなきゃいけないのか、しなくてもいいのか。
この境目、実は結構わかりづらかったりします。
法人の場合は利益がでようがでまいが確定申告の義務があります。
一方で個人の場合は「確定申告をしなければならない人」が決まっています。
「確定申告をしなければならない人」が決まっているということは裏を返せば確定申告をしなくていい人がいるということ。
この条件が結構細かく規定されています。
その中でも特にややこしいのが2ヶ所給与の規定。

 

アルバイト掛け持ち中の場合は確定申告が必要?

「アルバイトを掛け持ちしてるんですが、確定申告は必要ですか?」
この質問に対して
「2ヶ所あると必要ですね~」
と簡単に答える税理士は結構多いと思います。
通常アルバイトをしている方は勤め先で年末調整してくれるので確定申告は不要です。
ところがアルバイトを掛け持ちしている場合、年末調整はメインの勤め先1ヶ所でしか受けられないためサブの勤め先では受けられません。
そのため確定申告で2ヶ所の給与を合計しないと正確な税金を計算できないので申告は必要!
という流れを理解しているからこその回答です。

ところが実は確定申告をしなくてよいケースもあるんです。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm
国税庁ホームぺージに「確定申告が必要な方」が掲載されています。
アルバイトを掛け持ちしていると該当する可能性があるのはこの部分。

(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える
※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

この文章に該当する方は原則確定申告が必要と書いてあるのですが、その後の※部分に該当する方は例外で申告しなくていいと書いてあります。

はっきり言って非常にわかりづらい文章です…
とても覚えづらいなこともあり私は覚えていません。
その代わり一定の金額以下なら申告不要、それ以上なら調べて回答というやり方にしています。
今回紹介するのは申告不要と判断できるケースです。

 

具体例(簡単に判断できるケース)

<ケース>
Aさんの状況
メインの勤め先の給与収入:年100万円(年末調整が済んでいる)
サブの勤め先の給与収入:50万円(年末調整が行われていない)
2ヶ所の給与収入合計:150万円
給与以外の所得:なし
所得控除の対象:基礎控除(38万円)のみ
保険や扶養控除などの所得控除:なし

イメージは家計の足しにするためパートを掛け持ちしている妻、といった感じです。

結論から書いてしまうと

2ヶ所給与の合計収入が150万以下でその他の所得がない方は確定申告しなくてもいい!

となります。

先ほどの規定にはてはめるとAさんの場合
年末調整が行われていない給与収入:50万円>20万円
となるため、原則的には確定申告が必要です。

ところが、

※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

Aさんはこの例外規定の※部分に該当します。
給与所得の収入金額の合計額:150万円-所得控除の合計額:0円(基礎控除は含まれないため0円)≦150万円
さらに
各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く):0円≦20万円
の2つの条件を満たしているので。

こうやって書いてみても分かりづらいなぁ…
とやっぱり思います。

 

まとめ

まぁ何はともあれ

給与収入の合計が150万円なら申告しなくてもいいんだ!

というところをお伝えできればと思い記事にしてみました。
ただ、給与から所得税を天引きされていると確定申告をすればその所得税が還付される可能性があります。

一概に申告しないのがお得とも言い切れないのが難しいところですね。

 

2ヶ所給与収入の合計が150万円超の場合は個々の状況により申告の要不要が変わってくるので税理士や税務署に相談することをお勧めします。

最後に注意点を一つ。
自分ではアルバイトの掛け持ちと思っていても、勤め先が業務委託として扱っていて収入が実は給与ではない、というケースがあります。
「源泉徴収票」がもらえれば間違いなく給与と判断できるのですが、発行されない場合は勤め先が給与として扱っていないのかもしれません。
アルバイトだと思っていた収入が実は給与ではなかった!なんて場合はそもそも上記の判定はまったく当てはまりません。
どちらかと言えば確定申告が必要になる可能性は高くなります。
この場合も早めに税理士や税務署に相談することをお勧めします!

 

[今週の雑談]

本日確定申告受付開始日と合わせてスタートした税務署主催の無料確定申告相談。

例年1~2日くらい税理士も当番制で確定申告書作成のお手伝いをします。

朝から夕方まで初対面の方の話を伺って確定申告書の完成まで漕ぎつけるのは想像以上に疲れます…

じっくり調べて後日回答、ということが難しいので脳をフル回転させて解決策をその場で見つけないといけないからでしょうね。