領収書に「上様」「品代」と書いてもらうのはやめよう 怪しくないはずの経費まで怪しく見えてしまう

自営業者であれば自分の事業に関わる経費を支払うときに、支払った証明となる書類を保存することが税務上欠かせません。

証明となる書類について一昔前は「領収書が必須」と言われていたようですが、「レシート」でまったく問題ありません。

私も領収書よりレシートを保存してもらうよう勧めています。

しかし、レシートを導入していないお店で買い物をした場合は領収書をもらわざるをえません。

そのときの、宛名や但し書きはどうしていますか?

 

「上様」はやめましょう!

まず、宛名。

「上様」はやめましょう!

法人であれば会社名、個人であれば個人名か屋号を書いてもらいましょう。

この「上様」と書いておけば大丈夫、という慣習はいつ生まれたのか…

謎です。

自分が学生時代にアルバイトしていた頃にはすでにあったような記憶が。

 

私にはこの「上様」と書かれた領収書と宛名が書かれていない領収書の差がわかりません。

宛名がちゃんと書いてある領収書には、まだよそから”もらってきた”領収書ではない可能性が高いもの、として宛名が白紙の領収書より証拠能力が高いといえるでしょう。

しかし、「上様」の領収書だったらよそから”もらってくる”ことも可能です。

「上様」と書かれた領収書の存在意義が未だにわかりません。

ここは時間がかかっても、会社や屋号の正式名称を書いてもらいましょう。

時間がなければ、個人事業主の方は自身の名字のみでもOKです。

 

「品代」はやめましょう!

そして但し書き。

「品代」はやめましょう!

どれだけ支払った内容がまっとうな経費であっても、怪しく見えてしまいます。

これも「上様」と同様、書いてあるメリットがさっぱりわかりません。

但し書きが白紙のところに「品代」と書き加えたところで証拠書類としての信頼度が上がることはないでしょうから。

レシートのように購入明細をすべて書くことは現実的でないので、せめて金額が大きい代表的な商品名を書いてもらうべきでしょう(「○○代他」でOKです)。

 

私が領収書よりもレシート推しなのは、レシートには購入明細が記載されているからです。

店員さんに手間をかけさせなくても、自動で購入明細がすべて印字されるレシート。

これほど証拠能力の高い書類が他にあるでしょうか。

 

レシート保管の注意点

レシートの欠点として印字が消えやすいという点には注意が必要です。

手書きの領収書と比べて印字が消えやすいことは否定できません。

対策としては以下のようなことが考えられます。

・サイフなどにしまうとき、印字された面を内側にして折る

・車内など高温になる場所に保管しない

店員さんは結構印字部分を外側にして渡してくれるケースが多い印象がありますが、印字部分が外側だとこすれて字が消えやすいんですよね。

もう一つは車内での保管。

結構レシートにダメージを与えるようで、駐車場で停まっている車のフロントドアあたりにカピカピになって字がかすれたレシートを見ることがあります。

普段車で現場を駆け回ることが多い自営業者の方は特に注意していただければ^^

 

レシートが一番不正をしにくい

率直に言えば宛名が「上様」かつ但し書きが「品代」という領収書は「怪しい」、正確には「怪しく見えます」。

プライベートなものをどれだけ購入したって、「品代」で領収書をもらえば経費に計上することだってやろうとすればできてしまいます。

レシートだったらプライベートの購入代金を経費に付け替える余地なんてありません。

赤裸々に購入明細が残るわけですから。

裏を返せば手書きの領収書だと不正の余地がどうしても残ってしまいます。

あらぬ疑いをもたれないためには、やはり手書き領収書よりレシートがオススメです。

 

さいごに

領収書を作成するには、買い物終了後に別途自分の時間と店員さんの時間を費やす必要があります。

しかも時間をかけて作成するのに明細が見えなくなる分レシートより証拠能力が下がります。

レシートなら買い物終了と同時にレジから出力されるのでそれを受けとるだけ。

断然レシートの方がスマートですよね。

ぜひレシートを有効活用していきましょう!