レジ袋有料化で経理処理はますます複雑に 特に代金をもらうお店側は大変

 

2020年7月1日からレジ袋有料化がスタートしました。

自分自身はふだんの買い物でほぼ100%エコバッグかエコバスケットを使用しています。

なので自己負担が増えたという感覚は特になく

有料化でむだなレジ袋利用が減るのはいいことかなと思っているのですが。

 

経理処理がますます煩雑に

有料のレジ袋を買うとレシートにどんな感じで表記されるのかが気になり、先日はじめてスーパーでレジ袋を買ってみました。

割引品ばっか買っているのはたまたま遅い時間に買い物に行ったからで、ねらって行ったわけではないんです…

載ってますねレジ袋代金3円。

まぁ想像していたとおりですが消費税10%なんですよね、レジ袋。

経済産業省が発表している実施ガイドラインでも明記されていました。 

 

一消費者としてこのレシートを見れば負担がちょっと増えただけ、で終わりなのですが。

事業をしているとそうはいきません。

経理処理がからんでくるので。

消費税率が複数混ざっているレシートをどう処理すべきか考える必要があります。

 

購入者側の経理処理

購入した商品の消費税率が10%なら特に問題ないんです。

例えば税抜価格1,000円(消費税100円)の文具とレジ袋5円(消費税0.5円→0円)を購入したときは以下のように仕訳は1本で済みます。

レジ袋5円の消費税は0.5円ですが、通常切捨計算されるケースが多いと思われるので0円としています。

消耗品費(10%) 1,105 / 現金 1,105 文具購入

 

一方購入した商品が飲物で消費税率が8%の場合。

例えば飲物は税抜価格1,000円(消費税80円)で、レジ袋5円を購入したとき。

消費税率ごとに仕訳をおこさないといけないので仕訳が倍になってしまいます。

消耗品費(8%) 1,080 / 現金 1,080 飲物購入

消耗品費(10%)   5 / 現金   5 レジ袋購入

 

はっきり言ってめんどうです。

1件くらいならどってことありませんが、従業員さんがたくさんいて経費精算の多くにこの「軽減税率対象商品×レジ袋」のレシートが含まれていたら….

「こんなわずかな金額でも分けなきゃいけないの~」

という経理担当者の悲鳴が聞こえてきそうです。

原則論を書けば分けなきゃいけません。

消費税額が正しく計算できなくなるので。

 

ただ、年間どれだけレジ袋を購入するでしょうか。

一般の会社なら経費で軽減税率対象になる食料品などを購入する機会はそう頻繁にはないものです。

仮に5円の袋を年間1,000枚購入したとして5,000円。

5,000円の場合8%と10%の差である2%に相当する金額は100円。

このくらいならそこまで目くじらをたてなくても…と個人的には思ってしまいます。

区分していなかった場合、購入者側は区分したときよりも納税額が多くなってしまうので税務署サイドも税額が本来より多い分にはスルーする気もします。

経理担当者の手間との兼ね合いで決めるのもありじゃないかなぁ。

 

販売者側の処理

販売者側の経理方法はどうすべきか。

こちらもメインの販売商品の消費税率が10%であれば特に手間は増えません。

商品代にレジ袋代を含めた総額で仕訳を1本おこせばいいだけです。

一方でメインの販売商品が軽減税率対象であるスーパーやコロナ禍以降テイクアウトに力を入れている飲食店は手間がかかります。

例えば税抜価格1,000円(消費税80円)の食べ物とレジ袋5円を販売したとき。

仕訳を2本おこさないといけなくなります。

 

現金 1,080 / 売上(8%) 1,080 食べ物売上

現金     5 / 売上(10%)      5 レジ袋売上

 

1本で済んでいた仕訳が2本になるのはやっぱりめんどくさいですよね。

もちろん仕訳は個々のお客さんごとでなく1日の売上合計金額で計上すればよいので、慣れればそこまで手間ではないかもしれませんが。

ただ店内の商品をすべてバーコードで管理して集計が容易にできるような大手スーパーとかならいざしらず。

すべてレジを手打ちで行っている小規模飲食店なんかはテイクアウト料理とは別にレジ袋分を追加入力しなきゃいけなくなるのはかなり手間がかかるんじゃないでしょうか。

テイクアウトのお客さん1組ごとに発生しうるんですから。

購入者側と違い、手間がかかっても8%と10%は分けておかざるをえないかなと。

分けずにすべてテイクアウト料理の売上として8%で消費税額を計算してしまうと10%との差額2%が計上もれになってしまうので…

さらに簡易課税を適用している事業者ならレジ袋は店内飲食と同じ10%といっても店内飲食は第4種、レジ袋は第2種だから厳密には分ける必要がある…まぁこれはさすがにレジの部門管理などで分ける余裕があればやってみる、でいいと思います。

分けないで全部第4種で計上することは消費税法上で認められていますし、分けたときと比べて納税額は増えてしまうのでやっぱり税務署サイドからは何も指摘されないでしょう。

 

レジ袋をなるべく買わない!

今回紹介しためんどくさい経理処理を避ける方法。

それは当たり前ですがレジ袋を買わないこと。

会社用のエコバッグやエコバスケットを買うのもありなのでは。

備品を購入するときに使う車が決まっているようであれば車に置いておけば忘れませんし。

定期的にお手入れをしないとウイルスが付着するリスクがあるようなので今の時代なかなか難しいかもしれませんが…

あとコンビニでちょこちょこっと昼飯を買って車の中で食べるくらいならレジ袋はいらないと思うんです。

お会計終了後右手に冷たいものと飲物、左手に暖かいものを持って車の中へ、なんてのは私自身よくやってます。

「なんとかレジ袋を使わないですまないものか…」

と考えてみるとけっこうなんとかなりますよ。