動画を倍速視聴するのはありかなしか
「若い世代は動画を倍速視聴することでタイパをよくする」
こんな話題を耳にするようになりました。
タイパとはタイムパフォーマンスの略。
日本語で言えば時間対効果。
コスパ(コストパフォーマンス:費用対効果)の時間版って感じですね。
同じ効果を得るなら、より短い時間で得た方が効率的。
動画なら等倍速より2倍速で視聴する方が効率的。
なるほど、とても合理的な考え方です。
ただ、個人的に勉強のための動画を倍速視聴することはありですが、映画や音楽のライブ映像などのエンタメ要素が強いものを倍速視聴してしまうのはなしです。
専門学校の講義を1.5倍速視聴していた過去
専門学校で受けていた税理士試験の講義はすべて生の講義ではなく動画でした。
長野県は受講生の絶対数が少ないためか、選択肢が動画しかなかったのです。
ただ、動画には生の講義にはない大きなメリットがありました。
それは今話題になっている倍速視聴ができること。
正確には当時1.5倍速が最速だったと思いますが。…確か。
基本的に講義は1.5倍速で視聴していました。
税理士試験の講義時間は1コマあたり3時間。
平日仕事帰りに受講できるのは18:30~21:30の枠のみ。
講義の視聴に3時間かけてしまうと復習の時間がまったくとれません。
そこで早々に等倍速で視聴するのをやめました。
1.5倍速にすることで視聴を2時間で終わらせ復習に充てられる貴重な1時間を生み出すことができたんです。
講義を倍速視聴すると大事なことを聞き流してしまいあまり内容が身につかないんじゃないかという意見があります。
一理ありますが、そこはやり方次第だと思います。
私の場合講義のすべてを1.5倍速視聴していたわけではありません。
1.5倍速で理解できる箇所は1.5倍速で、講義の内容が難しく1.5倍速では理解できないと判断した場合は等倍速に戻して視聴する、という感じにメリハリをつけていました。
その結果、ずっと等倍速で視聴するより集中できるようになりました。
1.5倍速視聴の場合、集中して視聴していないと講義の内容が頭に入ってこないから集中せざるをえなくなったからです。
ずっと等倍速視聴だとどうしても集中できない時間帯がでてきてしまいます。
その点、1.5倍速と等倍速を使い分けて視聴する方法は効率よく受講しつつ集中力を維持できる私にとってはいいとこ取りのやり方でした。
倍速視聴に慣れるのは怖い
一方で映画や音楽のライブ映像などを倍速視聴したことはありません。
エンタメ要素が強い動画はじっくり楽しみたいし、そういった動画を楽しむ余暇に効率性を求めていないからです。
また、倍速視聴に慣れてしまうとライブの映画や音楽を楽しもうとするときに動きや音がゆっくりに感じられてストレスがたまるようになってしまう気がします。
実際、税理士試験の合格祝賀会で受講していた先生に初めてお会いしたときにその先生の会話がすごくゆっくりに感じられました。
その先生とお話しするのはそのときだけだったので私の場合特にその後困ることはありませんでしたが、「倍速視聴に慣れるのはちょっと怖いな…」と感じた出来事でした。
効率性を高めるという行為は余暇や勉強に充てる時間を増やすという目的を果たすための手段のはず。
物事すべてにおいてタイパを求めるのは、効率性を高めるという手段自体が目的にすり替わってしまっている気がします。