ビジネス実務法務検定2級をIBT方式で受けてみた結果・受けてわかったIBT方式の注意点
先週末にビジネス実務法務検定(通称:ビジ法)2級の試験を受験しました。
初めてIBT方式で受験。
IBTはInternet Based Testingの略。
受験会場に行くことなく自宅のPCから受験ができる方式です。
なぜビジ法を受けようと思ったか
ビジ法はビジネスに関わる法律知識がどれだけ身についているかを問われる試験です。
なぜこの試験を受けようと思ったかというと、法律全般の基礎知識を身に着ける必要性を前々から感じていたからです。
これまで合格してきた税理士試験やFP技能士試験は民法や会社法などが試験範囲に含まれていません。
私は法学部卒業というわけでもないので、法律知識を体系立てて学んだことがないことにコンプレックスを感じていました。
試験を受けずとも民法や会社法などの参考書を買ってひたすら勉強すればいいわけですが、私の場合何か目標があった方が勉強に張り合いがでます。
そこで程よい目標としてビジ法2級合格に狙いを定めたわけです。
受験結果
受験結果はどうだったかと言うと…
100点中70点で合格のところ、68点で不合格!
後、2点…泣
資格試験に落ちたのは、10年以上前の税理士試験以来。
この試験に落ちたからといって、ビジ法を武器に転職しようとしていたわけでもないし、普段の仕事にも何の影響もないので何も困ることはありません。
ただやっぱり試験に落ちるのはショックですね。
敗因は明らかな勉強不足なので自業自得ですが…
参考書は一周、重要分野は二週したものの、そこに書かれていることをバッチリ覚えているとは言い難い状況でしたし、過去問を一切解かずに受験に臨みました。
今回の不合格という結果も当然といえば当然です。
回答は選択式なのでたまたま当たった問題もあります。
本来の実力を示す点数はもっと低かったでしょうし、現状の実力不足を受け入れるしかありません。
試験は来年7月まで実施されないので、それまであらためて参考書を読み込んで法律知識をもっと深めようと思います。
IBT方式を初受験する場合の注意点
今回初めてIBT方式の受験を体験してみて会場受験とはいろいろ違う部分を実感しました。
下手すれば受験できずに失格になる落とし穴がたくさんあったので注意喚起の意味を込めて紹介していきます。
PC周りは何も置いてはいけない
受験に使うPC周りには何も置けません。
試験要領を当日までちゃんと読まず認識が甘かった私は、当日まで普段仕事をしている下の画像の環境のままで受験しようとしていました。
デュアルディスプレイ、外付マイク・スピーカー、カードリーダー、充電器、メモ帳、筆記用具。
ぜーんぶアウトです^^
試験当日に注意事項を読み込んでこりゃやばいと気づき、慌てて応接用の机で受験したので事なきを得ましたが。
マイクやスピーカーもPC内蔵のもので対応できました。
普段外付マイク・スピーカーを使っている場合にPC内蔵のマイク・スピーカーが壊れていた、なんて可能性もあるので内蔵マイク・スピーカーが正常に動作するかどうかは遅くとも受験前日までには確認しておくべきです。
応接用の机にもいろいろ置いてあったり打合せ用のディスプレイも設置していたので、これらも撤去しました。
モニターアームは取り外しが面倒なのでそのままにしたのですが。
受験前、試験官に画面共有したPCを通してリモートで受験環境のチェックをしてもらうのですが、このモニターアームに
「これは何ですか?」
と突っ込みが入りました。
ディスプレイを外したあとのモニターアームだと説明したら、取り外しまでは求められませんでしたが。
また、PC周りにカンニング用のふせんなどがついていたりしないかをチェックするために手鏡かスマホを使ってPC周りの状況を試験官に見せる必要があります。
受験場所の周りにカンニングできそうな資料が置かれていないかチェックするために、360度カメラで映す必要もあります。
試験官の指示通りに映すことが意外と難しく、カメラが内蔵されたノートPCを持ってぐるぐるその場で何回転もする羽目に。
大の大人がノートPCを持ってくるくる回るその姿はなんともシュールな状況でした。
カメラがノートPCではなくデスクトップPC内蔵だったらどうやって360度カメラで映すんだろう…?
メモがとれないことを踏まえて問題演習すべき
メモが一切とれないことも把握していませんでした。
数年前に集合会場のPCを使用したITパスポートの試験ではメモ書き可だったので、今回も回答が選択式である以上白紙にメモくらいはできるのではないかと思っていたんです。
メモ書きが試験中一切できない以上その対策をしておくべきでした。
受験後にいろいろ調べていたところ、タッチパッド(マウス)を操作しない方の手の各指に番号をふっておき、その番号の選択肢が〇なら指を折る、×なら指を折らないというマイルールを決めておけば回答後の指の形を見ることで効率よく回答できる、という記事を見つけました。
次回の受験ではこの方法を取り入れてみようかと考えています。
試験問題分の重要な箇所に下線を引いたり、事例問題を図解化することもできません。
この一切メモができないという条件で過去問などの問題演習を行わないと当日全力を出し切れません。
具体的対策としては普段の問題演習から頭の中で重要な箇所の把握、事例問題の図解化をイメージできるようにしておく必要がありそうです。
離席だけで失格のリスクあり
他にもちょっとしたことで失格になるリスクがあります。
主催している東京商工会議所検定サイトにも様々な失格行為が明記されています。
カンニング防止のために禁止事項が多くなるのはやむを得ないと思うんですが
・カメラに他の人が映り込んだ場合やマイクに他の人の声が入った場合
・試験中に途中退席(トイレ退席を含む)した場合
あたりはかなり厳しいなぁと。
離席を認めると自宅ならカンニングし放題になってしまうのでしかたないとも思うのですが。
「トイレに行きたくなったらどうしよ~」
と不安を抱えながら受験していました。
試験官を呼び出すことはシステム上でできそうだったので、どうしてもトイレに行きたいときは試験官を呼んでから短時間離席するなら可、くらいにはしてもいいような(なお、受験中は常時主催者側で受験中の状況をすべて録画しているそうです)。
家族がいる場合、受験場所が完全個室にしたり周りの家族が受験中声を出さないことを理解してくれていないと思わぬ失格リスクがありえそうです。
一人暮らしの場合、突然の来訪には対応できず居留守を使わざるをえない状況になることを想定しておくべきですね。
IBT受験のメリット
ここまで注意点ばかり書いたので、デメリットが多いように見えるIBT受験ですがもちろんメリットもありました。
なんと言っても受験会場に行く必要がないメリットは大きいです。
コロナ禍の今感染のリスクもないですし、移動にかかる費用も時間もかかりません。
受験結果も試験終了後一瞬でわかります。
試験主催者側にとっても会場費や問題用紙の印刷費などコストを抑えられるなどメリットは大きいはず。
選択式問題であれば人が採点や集計をする必要がないですし。
今後はIBT方式の資格試験が増えていくのかもしれませんね。