新社会人はまず100万円貯蓄することを目標にしよう

 

「お給料がでたらすぐに先取り貯蓄してしまいましょう。」

多くのFPが家計改善の一環として勧める方法です。

「先取り貯蓄」は給料が入ったらすぐに貯蓄用の別口座に貯蓄額を移してしまうやり方。

「お給料から生活費を払った残りを貯蓄に…」

と考えているとなかなかお金はたまりません。

先に貯蓄額を確定させて残ったお金で生活費を工面するクセをつけることで貯蓄がしやすくなります。

 

新社会人の方もぜひ先取り貯蓄することをお勧めします。

では最初の貯蓄額はいくらを目標に設定すべきか。

いろんな意見があると思いますが、私は

「100万円」

を目標にすることをお勧めします。

 

100万円を目標にする理由

目標額として100万円がいいと思う理由は3つ。

 

1つ目の理由は金額が多すぎず、少なすぎずで目指しやすい金額だから。

目標額が1,000万円となると達成まで長期間かかります。

目標額が10万円だと短期間であっさり達成できてしまいます。

平均的な給与のひとり暮らしの方で2年、実家暮らしの方なら1年を目標に貯められる金額だと思います。

 

平均的な給与と言っても学歴や業界・業種によって初任給は様々ですが、ざっくり月給20万円、ボーナス夏冬合わせて3ヶ月分で60万円とすれば年収で300万円と仮定します。

税金や社会保険料は年収の額によって変動しますが、年収300万円ならざっくり2割くらい。

なので税金や社会保険を引いた手取りは額面の8割くらいになります。

となると月給の手取りは16万円(20万円×80%)、賞与の手取りは48万円(60万円×80%)ですね。

ひとり暮らしの場合は貯金に回せるのは10%くらいでしょう。

そうすると毎月の給与からは約1.5万円、年間で18万円(1.5万円×12ヶ月)。

賞与の3分の2を貯金にまわせば32万円(48万円×2/3)。

合わせて年間50万円、となります。

2年間で100万円ですね。

ちょっと大変かもしれませんが、「趣味や交際費にかける金額はゼロ!」と極端に切り詰めなくても達成できる金額かと。

実家暮らしの方は家賃がまったくかからずにすむことを考慮すれば50万円貯金額を上乗せすることは難しくないはず。

1年間で100万円というのは十分達成可能な目標だといえるでしょう。

 

2つ目の理由は学生時代には貯めがたい大きな金額を貯められると社会人として自信がつくから。

学生時代にたくさんアルバイトをすれば、10万円というのは1ヶ月で稼げる金額です。

しかしこれを10ヶ月続けて100万円稼ぐというのは学生の立場では容易にできることではありません。

ましてやそれを全額貯金に回すなんてほとんどの学生がやっていないでしょう。

はじめて社会人になって100万円貯めることができれば、

「自分でもこんなにお金を貯められるんだ!」

という自信がつきます。

そこまでたどり着ければ、「貯蓄体質」もできてきているはずです。

「貯蓄体質」とは支出はあくまで収入から目標貯蓄額を差し引いた残りで賄うもの、という感覚が身についた状態です。

この体質が身につけば、後は貯蓄額を200万円や300万円にするのもそう難しい話ではありません。

これまでやってきたことを時間をかけて再現すればいいだけの話ですから。

 

3つ目の理由は100万円あれば半年間の生活費が賄えるから。

ひとり暮らしであれば、都心部の相当家賃が高いところでない限り1ヶ月の生活費は16万円あればなんとかなるでしょう。

100万円あれば半年間はもつ計算です(16万円×6ヶ月=96万円)。

勤務先がブラック企業で

「もうダメだ…辞めたい…!」

と身体や心が悲鳴をあげていても、明日の食費を支払う貯蓄がなければ辞めるに辞められません。

半年分の生活費があれば

「こんなところ、いつでも辞められるんだ!!」

という心の余裕がもてます。

将来「退職」という選択肢をキープしておくために半年分の生活費は早めに貯めてしまいたいものです。

 

まとめ

新社会人が貯蓄をするなら目標額は100万円がお勧め。

理由は

1. 多すぎず、少なすぎずで目指しやすい金額だから。

2. 大きな金額を貯められると自信がつくから。

3. 半年間の生活費が賄えるから。

 

目標は遠すぎても近すぎてもうまくいきません。

100万円という金額が貯められたというのは実際当時の自分にとっても大きな自信になりました。

そして100万円以上の預金があったおかげで「生活費はなんとかなるだろう!」と新卒で入社した会社を退職する決断ができました。

 

貯金をしなくちゃ、となんとなく思っていても具体的な行動に移せていない方は目標金額を100万円にして、いつまでに貯めるのかを決めてみてはどうでしょうか。

いつまでに貯めるのかが決まれば月々いくら貯めなきゃいけないのかが決まります。

月々の金額が決まったらあとは「先取り貯蓄」を実行するだけです。

毎月決まった金額を給与振込口座から振り替える手続きがとれる「定期積金口座」を開設すると、月々の手間がかからなくておすすめですよ。